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徒手格闘
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うにすると、その腕を掴んで締め技をかけようとするが逆に足を掴んで押す。すると倒れるのを避けるために優の腕を放して足を捻って無理やり腕を放させると距離を取る。

 だがそんなことはさせまいと優は片方の足を突き出した。純もそれをたくみに避けるがバランスを崩した。優はその隙を逃さずに掌底で顎を当てるように下から突き上げる。

「食らうか、よッ!!」

 純は叫んで掌低を頬に掠る程度に当て、顔を回転させながら避けた。そして手を着くと身体を片手だけで持ち上げて回し蹴りをしてくる。

「っと」

 優はそれをものともしないで交わすといったん距離を取った。しかし、この動きを見て、疑問が出てくる。たしか、純は俺が来る前も全然練習してないようだった。しかし、いざ戦ってみればこんなにも鋭い動きをしているし、こちらの攻撃も全て見えているように避けていく。

「なんか、お前を見てるとわかんないことばっかなんだけど」

「何がわからないことばっかりだ!お前こそ、俺にとっちゃ分からんことだらけなんだよ!!」

 そう言って今度は先ほどよりも速い移動でこちらに迫ってくる。そして、飛び込んで着ては身体を横に一家移転させてローリングソバットを放ってくる。紙一重で交わすと足を掴んで太ももに肘を下ろす。

 ちょうど一番痛い場所にだ。しかし、純はそれでも顔を歪めるだけで優からはなれるようにもう一つの足でヘッドギアの横を蹴る。さすがにこれは相当頭に振動が来て足を離してしまった。しかも、脳が揺らされたため相当目の前がゆれて見える。

「落ちろ!!」

 そしてそのまま回し蹴りを放ってきた。見事にそれが肝臓(リバー)に当たって、肺の空気とスタミナが一気に持っていかれる感じがした。

「がはッ!!」

 しかし、優も負けたくないという気持ちがあるため、倒れるのを堪えてその回し蹴りで横腹にある足を掴む。すると純はその足を軸に身体を横にして再び頭に蹴りを放ってくる。しかし、優もそこまで同じ手を食らうようなことはなく、蹴りを放っている足を避けると同時に開いている腕で掴んだ。

「マジカ!?」

「勝負中にあんま喋ってるとしたかむぞ?」

 優はそのまま、足を掴んだまま倒れて締め技を決める。両足の動きを止めるために両方ともに締め技をかけた。

「離しやがれ!」

 純は足を無理やり引き剥がそうと暴れるが決まったものを外すことは難しく、身体を譜って何とか離させようとした。その時、また優の顎に蹴りが当たり頭が一瞬真っ白になる。

 その瞬間、純は足を素早く抜けださせて大きく距離を取った。優も頭を振って何とか意識を持ってくると素早く立ち上がって、構えを取った。

 ラッキーパンチのようなものを数回食らっただけでこんだけ消費されるのは初めて
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