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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第九幕 「桃の花 滴と共に 空を舞い」
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使用可能。

「よしっ!!」

これさえあれば、少なくとももう一度くらい拳を叩き込むことは可能だろう。
問題は使いどころか。と、センサーがロックオン警告を告げる。
飛来する無数のレーザーを、再びバーナーを吹かし、今度は先ほどよりしっかりと停止する。
が――

「直線にしか動けないのなら、止まったところを打ち抜くまで!!」
「やっぱりそうくるよね・・・!!」

停止の瞬間をレーザーの一斉射撃が襲う。
かなり容赦ない射撃にシールドエネルギーが結構な量持って行かれる。
が、機体そのものはなかなか頑丈なようで、大きくバランスは崩さず素早いステップでその場を離脱。脚部の構造の恩恵か、地上に足を着けばその使い辛ささが嘘のように軽快な走りを見せる。
スタビライザーまでは簡略化されていなかったか。

「しかし、空中戦は事実上不可能だな・・・ッ!!」

避けそこない当たったレーザーの衝撃に顔を顰める。
この機体、空中では直進以外の機動が遅すぎて碌にできない。
普通のISの尺度から見るとポンコツもいい所である。
だが、地上に居てはレーザーで封殺されてしまう。
結局白式と同じ、突っ込んで何ぼの機体のようだ。
白式のことを言える立場じゃなくなったな、と内心で苦笑する。

(今できる選択肢はただ一つ・・・“投桃報李”をぶっつけ本番でモノにし、セシリアさんを倒す!!)

感触を確かめるように掌を動かす。ISという大型パーツが四肢の延長線上にあるような一体感。
訓練機のそれとはまったく異なる手ごたえ・・・これがフィッティングの結果なのか。
風花は確かに白式に負けず劣らず極端な仕様だが、ユウは決してこの機体が劣っているとは思わなかった。いや、むしろこの機体は普段消極的な自分をぐいぐい前へ押し出してくれているような気さえする。
そして自分が“投桃報李”を使いこなせれば・・・どんな相手にでも食らいつける。
頼もしい。ひょっとしたら自分の兄よりも、親友よりも頼もしく支えてくれている愛機に目を細め――

「――行こう、風花!その名のように、空を舞おう!!」
《――――》


その言葉に応える様に、風花のコアが人知れず光り、桃色のラインを脈打たせた。

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