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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第九幕 「桃の花 滴と共に 空を舞い」
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試合 セシリア・オルコット対残間結章 開始》



この時セシリアは視覚情報を得る段階で、彼女としては珍しくいくつかの見落としをしていた。
そもそもバーニア・スラスターとは補助ロケットのことであり、メイン推進装置とはなりえないことを疑うべきだったこと。
そして、何故スラスター“のようなもの”が二種類あったのか・・・その意味をあまり考えなかったこと。
「まともに使えそうには見えない」機体なら、「そもそもまともじゃない」仕様である可能性を考えなかったこと。

簡単に言えば、彼女には想像力が足りなかったのだ。だがしかし、だからと言って誰が彼女を責められるだろうか。
誰が―――インフィニット・ストラトスに、時代遅れの航空兵器に装着されているような“アフターバーナー”をIS用に改造したものを取り付けると想像できるだろうか。



(ゴウ)ッ!!!



「・・・は?」

「・・・なっ!?」

そして、ユウ自身も風花のスペックを把握しきれていなかったことまで予測できた人間がいたとすれば、それは神に他ならないだろう。


ガシャァァァァァァァァァァァァンッ!!!!


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」

その映像を見ていたすべての人間が絶句した。それは―――誰がどう見ても、ISを用いた見事な“ぶちかまし”だった。

「「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」」

滅茶苦茶だ。その一言に尽きる。ISという世界最先端の技術の結晶を、連合王国と日本という二つの大国がその科学の粋を集めて作成した最新鋭機を用いたにも拘らず、戦いの火蓋を切って落とした最初の一撃は―――余りにも原始的な戦闘方法だった。
かくしてユウの駆る“風花”は、一夏が叶えられなかった『一発当てる』という目標を早くも達成したのであった。もちろん―――

「くうっ・・・!な、何ですのその加速!?そのISを作った人間は間違いなく発想の源が狂ってますわ!!!」
「チカさぁぁん!?こんな人間砲弾仕様だとは聞いてないですよぉぉぉ!?!?」

それだけで試合が終わるはずもなく、二人は本人たちなりの全力で姿勢を立て直していた。
セシリアは動揺しながらもあくまで優雅に、ユウはアリーナのバリアに激突しそうになりながら。
先ほどのぶちかまし、あれでブルー・ティアーズのシールドエネルギーが100ほど減少した。
これは体当たりの威力としては破格の部類である。
・・・風花のエネルギーも50ほど減ったのはいただけないが。

あの体当たりの正体・・・それは言うまでもなく4つのスラスターに違和感なく混じっていたアフターバーナーの仕業だ。原理は単純、アフターバーナーの燃料をシールドエネルギーに変えただけ。
本来のアフタ
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