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銀河英雄伝説〜美しい夢〜
第三十五話 反撃
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書を務めるのはもっと危険だろう。全てを打ち明ける、その上でこの男達がどう判断するか、それを見極めなければならない。私は今極めて難しい立場に居るのだ、間違いは許されない。

「口封じに動く、その罪を我らに擦り付けるか……、確かにリッテンハイム侯の言う通りかもしれん……。となると辞めさせることは得策とは言えんの?」
リヒテンラーデ侯が皆に問いかけると皆が頷いた。どうやら私の首は繋がったようだ。内心ホッとすると同時に判断は間違っていなかったという安堵も有る。ここで私をクビにするようではこの先期待できない。

「ではノイケルン、カルテナー達を始末するか。フェザーンに対する警告にもなるが」
「こちらに取り込むという手も有りましょう。向こうの手の内を読めますぞ」
ブラウンシュバイク大公、エーレンベルク元帥が提案した。

「ふむ、どうするかな。……ブラウンシュバイク公、卿はどう思う」
リヒテンラーデ侯の問い掛けにブラウンシュバイク公が笑みを浮かべた。どうする? 私なら取り込むが……。
「処断しましょう。その上でフェザーンに対する監視を強める、公然とです。貴族達もそれを見ればフェザーンと接触するのが危険だと理解するはずです。それでも接触する貴族は……、容赦なく潰す」

応接室がしんとなった。なるほど、敵対する者に容赦はしないか。内面にはかなり激しいものが有る。皆が押し黙る中リヒテンラーデ侯が低く笑い声を上げた。
「反撃に出るか」
「ええ、この際断固たる姿勢を見せるべきです。場合によってはフェザーンも攻撃の対象とする」

皆が驚きの表情を浮かべてブラウンシュバイク公を見ている。フェザーンを攻撃する? 本気なのか……。
「フェザーンには財力は有りますが軍事力は無い。正面から潰すと軍事力で脅した方がフェザーンを抑える効果が有るかもしれません。煽るものが居なければ貴族達も騒がないはずです」

なるほど、脅しか……。皆が納得したようだ、頷いている。
「もし、フェザーンが蠢動を止めなければ何とします」
私が問いかけると公が冷たい笑みを浮かべた。
「その時は本気でフェザーンを攻めます。おそらくフェザーンは反乱軍に救援を求めるでしょうからフェザーンでの決戦という事になる。改革の成否はその決戦の結果次第という事になります」
彼方此方で頷く姿が有った。




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