第二十七話 あがき、敗北
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を繰り出す機械王。
『サラバダ。勇者ヨ。』
その言葉と同時に、右腕が突如として発射される。
いわゆるロケットパンチである。
完全に予想の外であった攻撃に誠也は一瞬反応が遅れるが、すぐさまセイクリッドディフェンダーを発動させる。
ガキィン!!
誠也は発射された右腕を防御することに成功するが、この攻撃は今までの攻撃とは異なり、防御して終わりではなかった。
「ぐっ……!!!」
飛ばされた右腕はスラスターを吹かして、徐々に防御を貫こうとしてくる。
しかし、誠也がそれを素直に受け入れるはずはない。
バリアに魔力をさらに集中させる。
「バリア……バーストッ……!!」
セイクリッドディフェンダーで集めた魔力を爆発させ、右腕を上に弾き飛ばす。
上に弾かれた右腕はそのまま誠也の後方へと飛んでいく。
すると、バリアバーストによる爆煙から機械王が飛び出してくる。
『ハアッ!!』
右足によって誠也は思い切り蹴り飛ばされる。
しかし、先ほどまでの経験故か、セイクリッドディフェンダーで蹴りを防ぎきる。
腕をクロスさせた先、吹き飛ばされながら遠くなる機械王を見ると、その瞳が赤く鋭く光る。
「がはっ!!」
すると、突然後ろから凄まじい衝撃が誠也を襲う。
誠也が吹き飛ばされながらそれを確認すると、そこにあったのは機械王の右腕だった。
吹き飛ばされた後、そのまま戻ってきたようだ。
「くっ……!」
誠也は何とか着地をするため体勢を整えようとするが、体が動かない。
どうやらダメージを負い過ぎて体が動かなくなったらしい。
唯一動く目で、己の前方を確認すると、そこに居たのは機械王だった。
しかし、それも当然のこと。
蹴り飛ばされて、吹っ飛んでいたところを逆側からの衝撃でまた吹き飛ばされたのだから、必然元の位置に戻ってくる。
そして、目線の先、機械王がその右足をあげていた。
「くそっ……!!」
最後のあがきとばかりに、体を動かそうとするが、動かない。
『コレデ終ワリダ。』
振り下ろされた右足によって踏み抜かれる。
恐らく数秒から十数秒ほどの時間が経っただろう。
勇者と称すべき男から自らの足をどける。
『死ンダカ……?』
勇者は目の前で倒れ伏し、ピクリとも動きを見せない。
人によっては死んだと思うだろう。
しかし、体からは本当に微弱な魔力が漏れていて、誠也が生きていることを告げていた。
『生キテイルノカ………!』
その事実に驚きを隠せない。
機械王の総重量はどんなに少なく見積もっても十トンは軽く超える。
もしかしたら三十トンや四十トンにも及ぶかもしれない。
その正確な重量は機械王自身も把握しきれていないが、そのうちの半分以上の重さの乗った踏みつぶしを受けたのだ。どうやっても人間に耐えられる重量ではない。
しか
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