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三つのオレンジの恋
第一幕その三
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ナに告げた。
「何があってもな」
「私もよ。あんただけには負けないわ」
「全く」
「強情なんだから」
 こんな話をしながら延々とカード遊びを続ける。二人は今は動く気配はなく小鬼達にも全く目を向けることはなかった。ただカードだけをしていた。
 そして王宮の大広間では。今は王も王子もいない。そのかわりにレアンドルが金髪を長く伸ばしており目つきの悪い高慢そうでかつ如何にも意地の悪そうな赤いドレスの女と共にいた。そしてそのうえで彼女の前で小さくなってその話を聞いているのであった。
「情けないことね」
「すいません」
「このままではラチが明かないわ」
 女は右手に持っている黒い羽根の扇を振りながら述べた。

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