暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第52話 フラグが……泣きたいです
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それだけでは無い。事実上この町は、聖地周辺から場違いな工芸品を回収する前線基地と言って良いだろう。だからロマリアは“槍の回収の為に”この街の統治に手は抜く事は無いし、“場違いな工芸品”を求める好事家(貴族)の手の者も多く居る。(ヴァリエール家に出入りしていた商人も、この町の名前を口にしていた)
そう言う背景から、この街で何かあれば一気に世界中へと情報が広がる事になる。
「さて、早速仕事を始めますよ」
宿屋に入って早々に、サイレントをかけて口にした言葉がこれだ。一見平静を取り戻している様に見えるけど、怒りを心の奥へしまいこみ熟成しているのが私には分かる。と言うか、抑えきれなくなって来ている。私には“暴れちゃうぞ♪”と、顔に書いてあるかの様に感じた。
「私はインビジブルマントを使って、本命の方へ偵察をして来ます」
偵察と言う名の証拠集めですね。夜までに神官と商会の不正の証拠がたくさん集まりそう。
「行ってらっしゃい」
ギルは「行って来ます」と呟くと、インビジブルマントをはおり出て行った。そして少し経つと、猫に化けたティアが合流して来る。
「待たせたの。主はもう行ったのか?」
「ええ。
殺
(
や
)
る気満々よ」
私がそう言うと、ティアはゲンナリとした。気持は分かる。
「それより今回の一件で、ギルは精神的にかなり追いつめられているわ。一時期より大分良くなったけど、責任の一端は自分にあると思っているのよ。ティアも協力してちょうだい」
「うむ」
ギルを更生させる為に、私はティアとじっくりと話し合った。
私とティアが話し始めて、3時間ほどでギルが帰って来た。その顔は……怖い。
「あの馬鹿共はまだ懲りて居ないみたいですね」
また“笑顔なのに、目が全く笑っていない”状態だ。いい加減にしてほしい。そして、ギルが手に持っていた帳簿を私の前に出したので、私は促されるままに受け取り目を通す。
「……奴隷売買。こっちは麻薬ね。ロマリアからこの街を中継してガリアへ、ガリアからアルビオン、トリステイン、ゲルマニアに流れているわね。それにこっちは、協力している貴族派の名簿か。貴族派と神官の資金が、未だに尽きない訳だわ」
詳細の方に目を通すと、末端価格がすごい事になっている。
安全な密輸ルート
(
しんかんとっけん
)
を使えなくなったからか、奴隷や麻薬の値段が以前の10倍以上になっている。値上がりの主な原因は、密輸ルートを確保する為の貴族派への賄賂だ。それでも売れていると言うのだから、ある意味感心してしまう。
「マギ商会の事前調査があったとしても、この短時間でこれだけの証拠をよく集められたわね」
「当然です。今晩は忙しくなりますよ」
何が当然な
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