暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第52話 フラグが……泣きたいです
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い。それだけならまだしも、血管が浮かび上がり……って言うか狂系脈みたくなってる。

「カトレア」

「は はい!!」

「馬鹿共に少し痛い目に遭ってもらおうと思うのですが、協力してくれますよね?」

 断れない。……絶対に。と言うか下手に逆らうと、その怒りが私に向きそうでイヤ。でもお願いだから……

「ギル。お願いだから殺気を抑えて。それから青筋を立てながら笑わないで。本気で怖いから」

 勇気を振り絞って言うと、ギルは殺気をひっこめてくれました。そしてなにやら考え始める。暫く待つと、ギルは突然ニヤリと笑った。……絶対にろくなこと考えていない。……誰か助けて。



 私の願いが叶う事は無く、ガリアまで連れてこられた。二言三言話すだけで、例外無く全員が逃げ出すのだ。同じく逃げられなかったティアも、きっと私と同じ気分だろう。

「……と言う訳で、インビジブルマントを一時返却してほしいのです」

 今ギルと話しているのはビターシャルだ。彼の顔が蒼い気がするのは、気のせいでは無いだろう。

「かまわない。それにそのマントのおかけで、王宮での安全なルートをいくつか発見できた。もう必要ないので、そのまま返却する」

「ありがとうございます」

 話しはこれで終わったと思ったが、ビターシャルが言い辛そうに口を開いた。

「それより……そちらは、手伝わなくても良いのか?」

「手伝ってくれるのですか?」

 ビターシャルが渋い顔をした。何か葛藤の様な物を感じる。何かあるわね。

「ネフテスの者としては協力できないが、個人的には思う所がある。……それ以上は聞かないでくれ」

 そう言いながら、ビターシャルは目を逸らした。

「分かりました。なら、シャジャルの死体を回収してもらえますか?」

 彼女の死体には《固定化》が掛けられて、今この瞬間も民衆に石を投げつけられているだろう。そう思うと心が痛む。

「……そう。なるべく派手にね」

 ギルが邪悪な笑顔でそう付け加える。

「? 分かった。それは私が姿を見せると言う事か? ……まさか」

 ビターシャルには、ギルが現在の情勢を徹底的に教えていたし、2年以上一緒に居ればその性格も良く知っているはずだ。本人の顔が“分かりたくなかった”と、語っているのは仕方が無いと思う。

「察しが良くて助かります」

 ……その笑顔が怖いの。



 私達は、ロマリアのネフテスの国境沿いにある街、グラスノスタヴに来ていた。

 この街は、神官の息が掛かった商会の重要拠点となっているので、ロマリアの動向を探る為に諜報部の人間が複数潜伏している。それはドリュアス家だけでなく、ロマリアを警戒する各国や有力貴族の諜報員も居ると言う事だ。

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