暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第52話 フラグが……泣きたいです
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因は、モード大公がシャジャルを囲い込んだ事です。それ自体は確かに軽率としか言えませんが、問題はその弱みに付け込んた神官と貴族派です。今回ばかりは、予想が当たっていた事を喜べませんでした。

 後にこの情報が入り更にキレる事になりますが、神官と貴族派はアルビオン王家に大まかに三つほど要求を出していました。

一つ、モード大公家襲撃を黙認し、今後一切干渉しない。
 これは、恐らく原作と同じ条件です。これで事実を知らない王党派貴族は、“大した理由もなく弟を殺した無慈悲な王”と誤認させ離反……結果として貴族派の勢力拡大すると言う訳です。神官と貴族派の発言力低下により、これだけでも呑むかどうか微妙になっています。

二つ、神官特権の復権
 とても飲める条件ではありません。この神官特権はトリステインの事件で、禁製品の温床であると公的に証明されています。奴隷や麻薬だけでも完全にアウトなのに、人の心を操る薬やマジックアイテムは被害が洒落にならないからです。

三つ、アルビオン王族の引き渡し
 あり得ません。現状人質となりえる王族は、ウェールズ王子しか居ません。そして彼を差し出せば、事実上アルビオン王国はロマリアの属国になったと宣言した様な物です。……神官達の意図は“虚無の担い手を出せ”と遠回しに言った心算の様です。しかしその事を知らないアルビオン王家は、ウェールズ王子を差し出せと言われたと判断しました。

 地味に三つ目の条件は、私の所為だったりします。私が虚無の担い手を演じなければ、こんな条件は出されなかったでしょう。アルビオン王家も“居もしない王族”を出せと言われても、応え様がありません。ハッキリ言って、交渉が決裂した原因は神官の交渉力の低さです。一つ目だけでもあやしいのに、二つ目の条件を出すなんて正気の沙汰とは思えません。神官って……馬鹿なのでしょうか? きっとブリミルの威光を笠に着て、まともな交渉の経験が無かったのでしょう。

 もしこの時点でこの事を知って居たら、私の自己嫌悪と報復はもっと凄い事になっていたでしょう。



−−−− SIDE カトレア −−−−

 ギルが帰っているのを見つけて、私は迷わず声をかけた。

「ギル。戻ったの?」

 まさかそれを後悔する事になるとは思わなかった。そう……ギルが、かつて無いほど不味いレベルのキレ方をしているからだ。

 こう言ってはなんだけど、絶対に関わりたくない。少し前に(アロンダイト)を作った時もそう思ったけれど、今回はレベルが全く違う。あの時は悪くてもケガ人(軽傷+トラウマ)の人間が出る程度だけど、今回は明らかに死人が出るレベルでキレている。

「ええ。テファ達はマリヴォンヌの所に預けて来ました」

 にこやかに笑っているけれど、目が全く笑っていな
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