暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第52話 フラグが……泣きたいです
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)しかし、喜んでばかりもいられません。免税期間が終われば、本来の税率に戻さざるを得ないからです。賢い商人の中には“商品のやり取りは他領で行うが書類上はドリュアス領で取引する”者が何人もいました。当然これは取引額が大きければ大きい程に減税に繋がります。(他領の貴族からは、犯罪扱いされそうですが)国に納める分を今の税に上乗せする(税率が元に戻る)と、当家が受け取れる税は一気に減る事になります。更に現在は儲かっていますが、馬の方もこのままの利益を上げ続ける保証はありません。

 そう考えると、安定して集められる食料・衣料・生活必需品取引による税収のアップは欠かせません。それには、如何しても領民を増やす必要があります。以前に流された誹謗中傷(治安が悪い等)の解消には勤めていますが、まだまだ完全ではありません。

 しかしこの問題は、思わぬ方向で解決する事になりました。

 その理由は、ロマリアの権威が低下した事です。以前も寄付額が減ったと言いましたが、今回の事件が止めとなり国単位で行われていた寄付も、減額・打ち切りとなりました。これが以前大幅に(真っ先に)削られた、貧困者や難民・孤児を救済する為の福祉予算に直撃します。(完全に無くならないのは、ヴィットーリオが頑張っているから)そうなると炊き出し等の援助が無くなるだけでなく、孤児院等の施設も援助が打ち切られる事態へと繋がりました。

 一部有志貴族や関係者の頑張りにより、幸運にも孤児院の方は大きな被害は出ませんでした。しかし貧困者や難民はそうはいきません。彼らには死ぬか奪うかの二択が付き付けられたのです。そこにマギ商会が割り込んで、ドリュアス領へと導きました。

 本来なら喜ぶ所ですが、素直に喜べない理由があります。それは“ドリュアス家の赤字を埋める程の貧民や難民が居た理由”です。

 ……別に貧民が多かった訳ではありません。ある理由により難民が激増していたのです。

 その理由はアルビオンにありました。実は原作同様に、アルビオンで内乱が勃発したからです。何故? ……と思うかもしれませんが、よくよく聞いてみれば納得してしまいます。先のモード大公の一件で王族を殺されたにもかかわらず、外交でやり込められてしまったからです。実状を知っている貴族達はそんなアルビオン王家に失望し、大公と親しかった貴族達は無力な王家を恨む事になりました。これが火種となった事に加え、今回の一件を早く過去のモノにしたい(おわらせたい)ロマリアと貴族派が油を注ぎました。

 結果として内乱はアルビオン全体へと波及し、多くの難民を生み出す事となったのです。

(保身の為なら内乱も辞さないか。……神官や貴族派って、何処まで腐っているのでしょう)

 おかげ様でドリュアス家は、難民への対応に追われる事となります。

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