第六話 エクリプスの選択
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の問題児二人が襲来する魔王倒したら、それはもう恨みっこなしっちゅうことで頼んます。二人とも多分血の気盛んな元気っ子やさかい、ちょっとした弾みでやんちゃもすると思うんや。その時は大目に見てもらえると助かります。――まぁ、そういうことや。ほな、さいなら」
そう言い残し、白夜叉の最後の言葉を聞くこともなくマーシャルは来賓室から出て行った。
「ったく、不気味な野郎だな」
十六夜の言葉に、その場に居た白夜叉と黒ウサギ以外の誰もが首を縦に振る。どうやら、ノーネーム≠ゥらのマーシャルという人物の印象は相当悪いらしい。
「まぁ、悪い奴ではないのだ。これからも会う機会があると思うが、おんしらも出来るだけ仲良くしてやってほしい」
「ハッ、悪い奴ではない、ねぇ・・・・・・本当にその通りかもな」
十六夜が白夜叉の言葉に含みを籠めてリピートすると、白夜叉は何も言う事が出来ずただ苦笑していた。
「それでは改めて――第一回、黒ウサギの審判衣装をエロ可愛くする会議を」
「始めませんってばこのお馬鹿様ぁぁぁ!」
スパァーン! と今日もハリセンの一閃。どうやらこの会議は、まだまだ続く様なのであった。
「お、こんな所におりましたか」
夕暮れに染まる町景色が見える塔の頂上では、四人の影があった。
一人は、軍服を着た短髪黒髪の男。また一人は、露出度の高い布の少ない白装束を纏う白髪の女。もう一人は、白黒の斑模様のワンピースを着た少女。そして最後に、細い糸目をした思考の読めない少年。
「・・・・・・どうだった?」
無機質な声で少女が少年に問うと、少年は胡散臭い笑みを浮かべて、
「向こうは既に何かしらの会議を行っておりました。また、襲来してくるともう予言されておりますで。――まぁ、ゲーム進行には差障りないので大丈夫かと」
敬語で喋っている筈なのに、何故かそちらの方が上に感じられる威圧。少年以外の三人は身構えて警戒心を高めながらも、少年に続けざまに訊く。
「――本当に、白夜叉を倒してくれるのでしょうね?」
「ははっ。何の為に、うちの主力呼ぶと思っとるん? アンタ等如きの為に、あの二人を呼ぶ筈がないやん」
刹那、少年は塔の頂上からするっと真っ逆さまに飛び降りる。それと同時に、少年が今しがたまでいた所には黒い――まるで死を連想させるような風が舞っていた。
「――言い方には気を付けることね。でないと、本当に死ぬわよ?」
少女が言い終えると同時に、塔の頂上の下から笑い声が聞こえてくる。見てみると、少年はただ単に飛び降りたのではなく、飛び降りると同時に塔の側面に張り付いていた。
「まぁまぁ、今のは僕が悪かったって。――とはいうても、た
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