暁 〜小説投稿サイト〜
気合と根性で生きる者
第六話 エクリプスの選択
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「ど、どうか私にご教授を!」

「ご、ご教授って言われてもなぁ・・・・・・」

 正直に言えば、マーシャルはこれまでエクリプス≠統率したことなど一度として無いに等しかった。何故なら、ピエール以外の全員に今まで一度たりとも命令を出したことが無いからである。

(・・・・・・さては、あの二人か?)

 ガルムとまだ会ったことの無いエレンという少女。可能性としてはこの二人しか考える事が出来ない。――というか、オーディンの眼を木端微塵にした時点で断定されたようなものである。

「・・・・・・野放しでいいんと違います?」

 正直に言えば、教えられることは今自分がやっていること以外に何一つとしてない。事実、彼は一人のメンバーと全くコンタクトを取らず、命令もせずにずっと放置し続けているのだから――

「の、野放しにしたら、それこそこの問題児様方は何をしてしまうか――ふぎゃっ!?」

「おいおい黒ウサギ。それじゃあまるで俺達が手のかかるガキみたいじゃねえか。訂正しろやコラ」

「そうね。十六夜君の言うとおりだわ。訂正を要求するわ黒ウサギ」

「二人に同意」

 と、十六夜から耳を引っ張られ、他の二人に非難される黒ウサギ。まさにその通りの正論を言っているのだが、生憎この三人の問題児に正論などというものはよっぽど重大な事でない限りは通じない。それは黒ウサギがこれまで、三人と一緒のコミュニティに居て実感したことである。

「――とりあえず、話進まないんで、そろそろ本題に入ってほしいんだけど・・・・・・」

「ふむ・・・・・・それでは皆の者――」

 すうっ、と白夜叉が空気を吸い込むと、たちまち来賓室内が沈黙に包まれる。やはり、白夜叉には何かしらの威厳のようなものがあるの――

「今から第一回、黒ウサギの審判衣装をエロ可愛くする会議を」

 ――だと思いたい。

「始めません」

「始めます」

「始めませんっ!」

 白夜叉の提案に悪乗りする十六夜と、それを速攻で断じる黒ウサギ。

「・・・・・・僕、帰ってえぇか? そろそろピエールを迎えにいきたいし」

 その光景を見て時間の無駄だと思ったのか、マーシャルは唐突にそんなことを言い始める。

「いや、これはおんしにも話せばならんことなのだ」

「結果だけ聞くとかではダメなんか?」

 掴みどころのない口調で喋るマーシャルに対し、白夜叉は「うぅむ・・・・・・」と唸り、数十秒ほど考えて、

「・・・・・・よかろう。ただし」

「あ、そうや。言い忘れるところやった」

 白夜叉の言葉を遮り、コロコロと口調を変えて割り込むマーシャル。その言葉の続きが気になるのか、白夜叉も静かに聞く体制に入ると同時に――

「うち
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