第六話 エクリプスの選択
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・それって普通、座ってから訊くことなのかなぁ・・・・・・」
どうやら、面倒事はこれからのようだった――
ノーネーム≠フ主要メンバーと白夜叉が温泉から上がり来賓室に到着したとき、そこには見知らぬ先客が静かに座禅を組んでいた。
整った顔と黒い髪、見た目からして歳の頃はせいぜい十代前半か――あるいはレティシアや白夜叉の様に子ども化している人間以外の生物。何故そう思わせるのかと言えば、彼のその特徴的な糸目が原因である。落ち着いた雰囲気に見せて、考えの全く読めない人物。座禅を組んでいるだけで、瞑想をしているのかどうか分からないほど、見事な糸目なのである。その上に無表情とくれば、その考えを読めと言うほうが無理な話ではあった。
一言で言えば――そう。怪しい人物、だ。
「誰だテメエ」
マイペースに十六夜は一人席に着いてからの質問。
声を掛けられて反応したのか、彼は開いているのかいないのか分からない糸目で十六夜、そして周囲を見てから――
「・・・・・・それって普通、座ってから訊くことなのかなぁ・・・・・・」
困ったように苦笑を浮かべながら、頭を掻いた。
「まぁ、其方が全員席に着いたら、話しましょうか」
そう言ってどうぞ、と手でジェスチャーすると、今まで固まっていた白夜叉と十六夜以外の全員が来賓室のテーブルの前に正座する。
それを見て準備は整ったと確認するとコホン、とわざとらしく咳払いをして、話を進める。
「どうも、初めまして。僕はコミュニティエクリプス<梶[ダーのマーシャルといいます。以後、よろしくお願いいたします」
「え、エクリプス≠ナございますか!?」
バンッ、と机を叩いてマーシャルという男に顔を近づける黒ウサギ。先ほどの温泉同様に、かなりハイテンションだった。
「ぜ、是非私にも貴方の様な問題児様方を纏め上げる方法を教えてくださいませ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・? え、えーっと・・・・・・」
ポリポリと人差し指で頬を掻きながら、困ったような表情で一応周りにその糸目で目配せをしてみるマーシャルなのだが――反応は何も無し。きっと、全員に今の発言を無かったことにされてしまったのだろう。
「し、白夜叉さん。うちのコミュニティって、問題児だらけのイメージあったりするんですか?」
「いや、寧ろ七桁全ての店でエクリプス℃ゥ体がたったの数日でギフトゲームへの出禁を命じられたのだ。メンバーが問題児と見られるのは、当然であろう」
「・・・・・・さいですか」
頼みの綱として白夜叉に訊いてみたが、どうやらそういうことらしい。エクリプス≠フ評判はどうやら、色んな意味で轟いているらしい。
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