第六話 エクリプスの選択
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方から伝えてもらえる事出来るかな? 今すぐ全員集合って、内の主力二人に」
「――ッ! エレン様まで、召集すると?」
一瞬、女性店員が驚いた顔を見せる。しかし、それにかまわず勝はマイペースに話を続ける。
「うん、そうですね〜。だって僕、その子と面識がゼロなんですよ? 流石に四人だけの少数精鋭でそれは不味いかな〜、なんて思いまして、今回はそれも兼ねて魔王討伐の手助けとチームワークの強化を頑張ろうと思ったんですよ。――まぁ、そう言う訳ですので、お願いしていいですか?」
「――はぁ、分かりました。こちらで伝えておきます」
諦めた様な溜息を吐き、女性店員は首を縦に振る。勝は「ははは」と声だけで笑いながら、今の容姿のその細い糸目を少しだけ開けて、
「いやぁ、助かります。――ほんっと、楽しい祭りになりそうですねぇ」
ゾクッ、とその時に女性店員の背中に悪寒が走った。
不気味に少しだけ開いた糸目の奥に潜んだ何か。何を考えているか分からないその表情。その二つのせいだろう。女性店員が、悪寒を感じたのは。
「――本当に時々、貴方を恐ろしく思います」
「はは。そんなん、ただの幻ですよ。少し休んだ方が良いんじゃないですか?」
「・・・・・・・・・・・・そうですね。伝えた後、ゆっくりと休ませてもらいます。では――」
そう言って、女性店員は来賓室を後にした。勝は起き上がって座禅を組んで座り、精神統一の為に瞑想を始めた――風に見せて、内心では考え事を始める。
(これからどうするか、だよね。魔王が本当に現れたなら倒してもよし。傍観もよし。出来ればその魔王ごとうちのコミュニティに引き入れたいけど――十六夜さんの目を盗んでそれは、難しいだろうし・・・・・・いっその事、表だって派手にやっちゃおうかな)
正直なところ、白夜叉が居る時点でその機会も少なさそうには見えるのだが――それは逆を言えば、白夜叉に付いていればその機会があるということだ。それで一度小手調べをさせてもらえるように交渉すれば――きっと、上手くいくだろう。
(それに、その場合はすぐ近くに白夜叉さんが居る。そうなれば、僕の勝利は揺るがない。よし、白夜叉さんと行動を共にしよう)
根拠のある確信。勝は最後に行動方針を決めると同時に心の中で頷き、そして瞑想の型を崩そうとした時――
「誰だテメエ」
不意に、聞き覚えのある自称、粗野で乱暴で快楽主義と三点揃った男の声。
声のした正面を見てみると――やはりというべきか、そこには逆廻十六夜が座っていた。更に周りを見てみれば、黒ウサギ、ジン、飛鳥、耀とノーネーム≠フ主要メンバーが勢ぞろいな上に、セットで白夜叉と見知らぬとんがり帽子の小人まで付いてきていた。
「・・・・・
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