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立派な魔法使い 偉大な悪魔
第六章 『邂逅』
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 刹那はそれが少し気になった。だがその答えが出るはずもなく、木乃香を降ろし辺りを見回す事にした。

「本当に凄い世界ですね」

 上空から見ても、異様な世界だとは分かっていた。しかしこうして降り立ってみると、またそれを実感する。

「あ、さっきの大きいのがいなくなってます」

 暗い空を見上げてそう言ったのはのどかだ。確かに空には先程の巨大な悪魔はいなくなっているようだ。

「いやー、もう少し遅かったら食べられてたでござるな」
「食べられても中で一寸法師みたいに暴れたらいいアル!」

 楓の言葉にくーふぇいが自信満々に返した。楓も「おお、なるほど」と納得する。

「はいはい、んな馬鹿な事言ってる場合じゃないでしょ」

 それを呆れたように朝倉が収めて、今度はネギヘ問い掛けた。

「でネギ君、これからどうするの?」

 朝倉の問い掛けは当然だ。“明日菜を助ける”という最大の目的はあるものの、そのためのにどう行動するのかまだ決まっていないのだ。
 もっとも、魔界の構造や全容が分からない上に、造物主達がどこにいるのかも分からないので無理はない。

「そうですね、まずはこの周辺を探索しましょう。朝倉さん、アーティファクトで辺りを偵察してもらっていいですか?」

 朝倉のアーティファクト『渡鴉の人見』は、スパイゴーレムを遠隔操作し、偵察する事が出来るものだ。今の状況にはまさにうってつけのアイテムだ。
 朝倉がアーティファクトを発動しようとパクティオーカードを取り出した。
 その時、何かが物凄い速さで飛び出してきた。とっさに刹那が木乃香の前に立って抜刀し、楓は苦無を構え、古菲が神珍鉄自在棍を構える。そしてネギは断罪の剣を発動していた。
 飛び出してきたそれは赤い液体に浮かぶ墓標へ激突する。墓標は粉々に砕け散り、水面にいくつも波紋を作る。かなりの勢いでぶつかったそれは、器用に受け身をとって着地した。
 それは白い身体に赤い血管のようなものが何本も走り、頭や背に角を生やした悪魔『アビス』だ。既にアビスの手には陽炎が上がる鎌が構えられている。相手は既に戦闘体制に入っているようだ。
 迎え撃とうとネギが瞬動で接近しようとする。だが、アビスの目にはネギ達は入っていない。
 受け身を取った姿勢からそのまま、自身が飛び出してきた方向へアビスが駆け出す。そして何かを刈り取るように、手に持つ鎌を薙いだ。
 丁度そのタイミングで、アビスを追うように赤い影が飛び出してきた。狙いすましたかの様なタイミングで、アビスの鎌はそれを捉えようとする。
 しかしアビスの鎌は空を斬った。赤い影は紙一重でそれを屈んで避けたのだ。そしてカウンターに拳を突き上げる。拳がアビスの頭部を捉え、アビスの体を宙へ誘った。
 ここでようやく、ネギ以外の
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