第六章 『邂逅』
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けている間に、ネギの呪文が完了した。
「――吹きすさべ南洋の嵐!」
ネギが唱えていた呪文は、フェイトとの戦いでも使った『雷の暴風』だ。
「ああぁぁ!」
気合いと共に、ネギは右手に渦巻く魔力の塊を放った。雷を纏った嵐が悪魔を巻き込んでいく。原形を留めていればましだろう。無数の悪魔は肉片に姿を変え、悪魔の群れに風穴が開いた。
「今です!」
ネギが放った魔法により、すでに悪魔の群集の向こう側は見えていた。ネギの合図とともに、刹那と楓も加速する。このまま突っ切るつもりのようだ。
当然悪魔達は、通り過ぎようとするネギ達に近付いてくる。せっかく開けた活路が、みるみる塞がるように狭まっていく。
接近してきた悪魔を切り裂き、叩き落し、後少しで悪魔の群れを脱するところまで迫る。が、ネギ達は悪魔の郡体に飲み込まれるようにして姿が見えなくなった。
周囲全てを悪魔に取り囲まれたとなると、肉は啄まれ、骨は砕かれ、四肢はもぎ取られていてもおかしくは無い。悪魔に蹂躙されるとは、往々にして恐怖の後に惨たらしい最後を迎えるのだ。
それはネギ達が辿る運命だった――筈だが、そうはならなかった。
悪魔の群れが勢い良く血を吐いたかと思うと、ネギ達が飛び出してきた。どうやら悪魔達を切り刻んで、文字通り血路を切り開いたようだ。全身に血を被った彼らの姿は、子供や女子中学生にはとても似合うものではない。しかし、それを気にするより前に、追走して来る悪魔へ向けて反撃を行っていた。
「魔法の射手、連弾・光の1001矢!」
ネギが遅延させていた『魔法の射手』を、後方の悪魔の群れへ放つ。千もの光の矢が悪魔の群れに降り注ぎ、悪魔達を襲う。しかし追っ手は勢いを殺さず、更にネギ達に迫る。
「このままでは……。ネギ先生! 私が殿を務めます。お嬢様をお願いします!」
「せっちゃん!?」
このままでは逃げ切れないと判断したのか、刹那がそう提案した。木乃香は驚いて、刹那の名を呼んでいた。
「ッ! 駄目です、危険過ぎます!」
ネギも刹那を諌める。刹那が操る『神鳴流』は退魔の剣であり、悪魔との相性は良いだろう。だが、数が多すぎる。いくら刹那といえど、それはもはや勇敢ではなく蛮勇と言える行為だ。
「し、しかしあの数の追っ手では、いずれ追いつかれます! 私が引き付けますから――」
「いや、待つでごさる」
刹那の言葉を遮って、楓が口を挟んだ。
「奴らが追って来なくなっているようでごさる」
楓の言葉を聞いて、一同は振り返った。確かに楓の言う通り、悪魔達は追って来なくなっていた。
「諦めたのでしょーか?」
ネギの後ろにいたのどかが言うように、諦めたのだろうか?
(いや……それにしては引きが良
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