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立派な魔法使い 偉大な悪魔
第六章 『邂逅』
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択の余地はない。アル達の助力を得る事は、今の状況下では最良の選択だろう。

「どうするんだ? 先生。悩んでる時間はないぜ?」

 千雨がネギに問い掛ける。彼女の言う通り時間は切迫している。長時間考える事は出来ない。
 もっとも、どうするかはもう決まっていた。今ネギが考えているのは、誰が魔界へ行き、誰がアル達の手伝いをするのかである。
 先程は選択を迫られていたとするならば、今は選別を迫られているとも言える。人選は慎重に吟味するべきだ。それが後の結果を大きく変えるからだ。だが今はそのような時間はない。

「では魔界へは僕、刹那さん、楓さん、古老師、このかさん、のどかさん、朝倉さんで行きたいと思います」

 ここから先、非殺傷設定が施されていない悪魔と戦うとなれば、基本的に戦闘に秀でたメンバーが中心となる。また木乃香やのどかや朝倉はアーティファクトの性質上、回復や情報収集、偵察といった最低限の後方支援だろう。

「ゆーなさん、アキラさん、亜子さん、まき絵さん、夏美さん、アーニャ、美空さん、千雨さん、ユエさん、高音さんはクウネルさんの指示に従って下さい」

 逆に戦闘に慣れていない者はネギ達と共に魔界へ行くよりも、アル達といるほうがまだ安全である。

「小太郎君はみんなの護衛をお願いしていいかな?」

 小太郎を残すのは護衛の意味合いが強い。エヴァンジェリンやアル達がいるが、万が一のことがあってはいけない。小太郎もそれを理解したらしく、ネギの采配に快く従った。
 即決しなければならない状況の中では、無理な人選ではないだろう。

「それでは皆さん、行きましょう! アスナさんを助けに!」

 全員が一緒に魔界へ行く訳ではない。しかし仲間を助けるという気持ちは全員が同じだった。
 ネギ達が魔界の入口へ向かおうとしてたとき、それまで魔法によって悪魔を撃墜していたエヴァンジェリンが、ネギの元へ近付いてきた。そしてネギの耳元で呟く。

「ぼーや、これ以上は『術式兵装』は使うな」

 それはネギの師であり『闇の魔法』を生み出した者としての言葉だ。
 闇の魔法は術者に対して大きな力を与える代わりに、尋常ではない負担がかかる。更にネギは、雷系最大級の魔法である『千の雷』を二重に取り込む術式兵装を多用している。そのため、闇の魔法の侵食は加速度的に進んでいる。このまま使用を続ければ、近い内にネギは完全に侵食され尽くしてしまうだろう。

「と、止めたところで貴様は使うだろうな」

 だがエヴァンジェリンは止めなかった。いや、弟子の性格からして、止めたところで、確実に使用を続けるだろうと分かっていた。さらにここからは自分の目の届かないところに行くのだ。止めるだけ無駄だろう。
 エヴァンジェリンは一つだけ、ネギの言葉を聞きた
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