第六章 『邂逅』
[4/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
択の余地はない。アル達の助力を得る事は、今の状況下では最良の選択だろう。
「どうするんだ? 先生。悩んでる時間はないぜ?」
千雨がネギに問い掛ける。彼女の言う通り時間は切迫している。長時間考える事は出来ない。
もっとも、どうするかはもう決まっていた。今ネギが考えているのは、誰が魔界へ行き、誰がアル達の手伝いをするのかである。
先程は選択を迫られていたとするならば、今は選別を迫られているとも言える。人選は慎重に吟味するべきだ。それが後の結果を大きく変えるからだ。だが今はそのような時間はない。
「では魔界へは僕、刹那さん、楓さん、古老師、このかさん、のどかさん、朝倉さんで行きたいと思います」
ここから先、非殺傷設定が施されていない悪魔と戦うとなれば、基本的に戦闘に秀でたメンバーが中心となる。また木乃香やのどかや朝倉はアーティファクトの性質上、回復や情報収集、偵察といった最低限の後方支援だろう。
「ゆーなさん、アキラさん、亜子さん、まき絵さん、夏美さん、アーニャ、美空さん、千雨さん、ユエさん、高音さんはクウネルさんの指示に従って下さい」
逆に戦闘に慣れていない者はネギ達と共に魔界へ行くよりも、アル達といるほうがまだ安全である。
「小太郎君はみんなの護衛をお願いしていいかな?」
小太郎を残すのは護衛の意味合いが強い。エヴァンジェリンやアル達がいるが、万が一のことがあってはいけない。小太郎もそれを理解したらしく、ネギの采配に快く従った。
即決しなければならない状況の中では、無理な人選ではないだろう。
「それでは皆さん、行きましょう! アスナさんを助けに!」
全員が一緒に魔界へ行く訳ではない。しかし仲間を助けるという気持ちは全員が同じだった。
ネギ達が魔界の入口へ向かおうとしてたとき、それまで魔法によって悪魔を撃墜していたエヴァンジェリンが、ネギの元へ近付いてきた。そしてネギの耳元で呟く。
「ぼーや、これ以上は『術式兵装』は使うな」
それはネギの師であり『闇の魔法』を生み出した者としての言葉だ。
闇の魔法は術者に対して大きな力を与える代わりに、尋常ではない負担がかかる。更にネギは、雷系最大級の魔法である『千の雷』を二重に取り込む術式兵装を多用している。そのため、闇の魔法の侵食は加速度的に進んでいる。このまま使用を続ければ、近い内にネギは完全に侵食され尽くしてしまうだろう。
「と、止めたところで貴様は使うだろうな」
だがエヴァンジェリンは止めなかった。いや、弟子の性格からして、止めたところで、確実に使用を続けるだろうと分かっていた。さらにここからは自分の目の届かないところに行くのだ。止めるだけ無駄だろう。
エヴァンジェリンは一つだけ、ネギの言葉を聞きた
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ