第百十四話 おいおい、このクジってまさか……
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ことがあります! 本戦出場者は本来十人の予定でした! しかし、カイバ選手とスレン選手は出場を辞退されました!」
その言葉を聞き、観客達からは溜め息が漏れる。
やはり人数が減ったことが不満なのだろう。
それにカイバもステリアも、熱い闘いを見せてくれた分、残念な思いが込み上がってくるのだ。
「ですので、本戦はこの八人で行いたいと思います!」
確かに人数が減って楽しみが少し削られたのも事実だが、ここまで残った面子(めんつ)を見て、観客達はまたも盛り上がる。
すると闘悟は自分に向けられる視線に気づく。
それは他の参加者達からの視線だった。
ミラニとシャオニは闘悟の近くに来ていたが、間違いなく彼女らに向けられているわけではない。
闘悟は自分自身に向けられている敵意や興味を正面から受けている。
ん〜注目受けてんなぁ〜。
まるで他人事のように心の中で言う。
他の参加者達からすれば、闘悟の存在は脅威の何ものでもないだろう。
これまで闘悟が大会で行ってきたことを知っているなら、警戒してもし足りないだろう。
異常な魔力、規格外な行動、奇抜(きばつ)な格好。
どれをとっても皆の注目を引きつけるのに十分な要素だ。
「見られているな」
ミラニのそんな言葉に頷きを返す。
「まあな、しょうがねえけどな」
闘悟自身、彼らの気持ちは分かる。
もし逆の立場ならそんな異質的な存在を放置することなどできない。
何とかして攻略しようと観察するだろう。
「フシシシ、でも他人事じゃないんだよねぇ。私達だって一応敵同士だよん?」
シャオニの言う通り、大会で優勝するのが一人しかいないのなら、必ずその地位を巡って争う必要がある。
「さて、この場にいる八人の方には今一度クジを引いて頂きます!」
大会運営委員が八人一人一人にクジを引いてもらうべく箱を持って近づいていく。
闘悟も箱から札を取る。
だが今までと違って札には何も書かれてはいなかった。
ただし、赤い色が塗られた札だ。
隣にいるミラニを見ると同じく赤色の札を持っていた。
「お前も赤か?」
「貴様もか?」
互いに確認するように札を見せ合う。
運営委員は一人一人の色を確認した後、紙に名前を記していった。
そしてその紙を実況席に持って行く。
「それではこれから本戦の説明をさせて頂きます!」
皆がモアに注目する。
「その前にですね、出場者の皆さんが引かれたクジの色を先に発表させて頂こうと思います!」
ん? 何でそんなことするんだ?
ああ、不正が行われないようにここにいるみんなを証人にさせ
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