第百十四話 おいおい、このクジってまさか……
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という人物には惹かれるものがあった。
『五色の統一者(カラーズモナーク)』は変わった奴らばかりだったが、バンリドに関して言えば、是非これからも付き合っていきたいと思わせてくれるほどの人物だった。
「ところでよ、お前本戦も出るつもりなのか?」
「ん〜彼には申し訳ないけど、止めとくわ」
彼というのはウースイのことだ。
せっかく勝ったのに、出場を辞退しようと思っているとは、本人の目の前では言えない。
「そっか……ま、その方がいいかもな」
これからはもっと激しいバトルになる。
ステリアの腕では、顔を隠して闘い続けるのは難しい。
もし正体が明らかになってしまえば、支援してくれたニア王妃にも迷惑が掛かる。
そう思うと、ここで辞退しておいた方がいい。
「まあ、ニア様なら、たとえバレても笑って何とかしてくれそうだけどな」
「そうかもしれないわね。でも、十分楽しめたし、良いバトルもできたわ。だから、私の分も頑張りなさいトーゴ」
「おう、分かったよ」
「ホントはアンタに勝って、その褒美に国へ連れ帰ろうと思ってたんだけどな……」
そんなことを呟き声で言うので、闘悟には良く聞こえなかった。
「何?」
「な、何でもないわよ!」
いきなり赤くなった顔を背けたので不思議に思ったが、モアの声が聞こえたので、そちらに意識を奪われた。
「皆様お疲れ様でした!」
モアの労(ねぎら)いの声を聞き、観客達も満足したような表情をしていた。
この二次予選は、レベルが高い闘いが多かったせいか、十分に楽しめたのだと思う。
「それでは本戦出場を勝ち残った皆様方! どうぞ舞台の……あ、すみません! 舞台は消し飛んでしまっていましたね!」
本当にすみません!
舞台を吹き飛ばした張本人である闘悟は、心の中で謝罪した。
「では、舞台があったところまで来て下さい!」
大会の運営委員らしき人物が、またクジ引きが入っているのであろう箱を持って現れる。
するとステリアはその人物のもとに行き、何かを話した後、また闘悟の元へやって来た。
「今出場辞退を申し出てきたわ」
「そっか」
「それじゃ、一足先に戻るわ」
「ああ、後でな」
「ええ」
ステリアはそう言うとその場から姿を消した。
ステリアに辞退を申し出られた運営委員は、別の運営委員に話をしている。
恐らくステリアのことを伝えているのだろう。
しばらくして本戦に出場する者達が現れる。
ミラニにシャオニ、そしてヤーヴァスの姿も見える。
闘悟含めて合計八人がその場に集結する。
「皆様よろしいでしょうか? ここでお伝えする
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