第百十三話 オレの勝ちだな!
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ると思う」
フレンシアが解説で言っていたので誰もが知っている。
「その魔法は、魔力次第で、どんなものでも改変することができるんだ」
どんなものでもと聞いて、皆が唖然としている。
確かにどんなものでもと聞くと、疑わしく思うが、彼の魔力量を直に感じている分、否定ができず皆の顔が引き攣(つ)っている。
「もう、気づいてるだろ? オレはこの魔法でアンタの『不動魔法』を改変した」
「俺の……じゃと?」
バンリドがそこで初めて口を開いた。
「アンタの魔法は使用すれば【絶対に傷つかない】っていう事象が決定してる」
そう、だからこそ、闘悟の理不尽なまでの魔力を込めた拳でも防ぐことができたのだ。
「ならオレの魔法でその事象を変えようと思ったんだ」
誰もがその告白に言葉を失っている。
簡単に言っているが、そんなこと普通はできるわけがない。
言ってみれば世界のルールにも匹敵(ひってき)、いや、ルールそのものと言っても過言ではないのだ。
そんなルールを変えることなど、それこそ神しか無理だと観客席から口々に聞こえてくる。
「でも最初は苦労したぞ。かなり魔力を解放したのに、何も変わらなかったんだからな」
十五パーセントを解放し、『不動魔法』を改変しようとしたが、あまり効果が見えなかったのだ。
「焦ったけど、空間にヒビが入ったのを見て、勝機が見えた」
「空間? ヒビ?」
バンリドは気づいていなかったので、ヒビの意味が分からない。
「多分アンタの『不動魔法』は空間魔法の一種なんだろうな」
未だにバンリドはポカンとして話を聞いている。
この反応からして、自分の魔法が空間を使用していることに気づいていなかったみたいだ。
バンリドの周囲の空間を固定させ、それを侵せないようにすることが、『不動魔法』の真髄(しんずい)なのだろう。
だからこそ、空間そのものが固定していたからこそ、バンリドは宙に浮くなんていうマネもできた。
闘悟は改変魔法を使用して、空間にヒビが入るのを確認した時、その空間を破壊できると感じた。
だがその際、当初は十五パーセントしか使用しないと決めていたが、二十パーセントも使用してしまったのは驚きだった。
それだけ彼の魔法の効果は強力なものだったということだ。
そのせいで、周囲にも被害を出してしまったのは反省すべき点である。
(そうか……あの時何かが割れるような音がしたのは、空間が割れる音じゃったか……)
バンリドも、周囲の観客達も一様(いちよう)にして納得した。
(でも……空間って割れるもんなんじゃなぁ……)
それはこの場
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