第百十二話 不動魔法破れたりっ!!!
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もし闘悟の魔力が暴走してしまうと、闘武場など一瞬で吹き飛んでしまうだろう。
いや、グレイハーツそのものがといった方が正しいかもしれない。
だからこそ、そんな予測ができたフレンシアは闘悟に対して一抹(いちまつ)の不安を覚える。
「で、ですが、トーゴ選手は攻撃しようとはせずに、ただバンリド選手に触れているだけです! 残り時間はもう三分を切りました! このままではトーゴ選手の敗北になります!」
凄まじい魔力を解放してはいるが、それだけで、目立った動きが何一つ見当たらない。
何よりも、その魔力に攻撃意志が感じられないのがフレンシアには不思議でならなかった。
攻撃しないのなら、一体どうしようというのか、彼女には答えが見い出せなかった。
「さすが、大した魔法だなホントに!」
闘悟はバンリドを見つめながら言う。
「お、お前さんも、これは驚かせ過ぎじゃ!」
彼も歯を食いしばり全身に力を込めている。
肉体的な衝撃は何一つないが、魔力の圧力に精神に負担が掛かっているのだ。
額から汗が滲(にじ)み出ている。
「じゃがのう、俺の魔法はどうやらこれでも耐えとるようじゃのう!」
「くっ! こんだけ魔力解放してんのになぁ! どんだけだよアンタの不動ぶり!」
「はは! それは嬉しい褒め言葉じゃのう!」
当初の予定通り、十五パーセントの魔力解放で行動を起こしてはいるが、いまいち手応えが伝わってこない。
どうやらバンリドの魔法は思った以上の強度だったのかと歯噛(はが)みしていると……。
…………ピキ……
ん? 何の音だ?
確かに耳に違和感のある音が聞こえてきた。
バンリドには聞こえていないのか、表情は変えない。
……ピキキ……
また聞こえた。
今度は幻聴なんかではなかった。
闘悟は目を凝らし音の方向を追った。
そこには空間に赤い筋のようなものが走っていた。
何だ……これ?
じっくり見ていると、また先程と同じ音がした。
そして、その筋が明らかに広がっている。
そうか! そういうことか!
そう心の中で叫んで何かを確信する。
「ん? 何を呆(ほう)けとるか知らんけど、もう時間ありゃせんぞ?」
そんなバンリドの言葉を聞いて、闘悟はニヤッと笑い彼の目を見つめる。
「これで終わりなんかじゃねえぞ?」
「は?」
「うおぉぉぉぉぉっ!!!」
闘悟は気合を入れるために叫ぶ。
「な、何を!?」
これで終わりだと思っていたのに、まだ何かをしようとしている闘悟を見て焦燥感にさらされる。
「事象が決まってんなら、その事象
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