第百十二話 不動魔法破れたりっ!!!
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げてしまう。
「何じゃ?」
だが闘悟は答えない。
そのまま、ゆっくりと手を上げバンリドの胸に触れる。
服を触っているのではなく、その周囲に覆っているバンリドの魔力の壁を触っている。
「い、一体どういうつもりじゃ?」
すると、闘悟はニヤッと笑って一言だけ言う。
「これが最後の……手段だ!」
ブウォッ!!!
いきなりの強風が闘悟から発せられる。
バンリドには闘悟が何をしようとしているのか理解できなかった。
魔力は先程と同じく凄まじいが、攻撃の意思が全く伝わってこない。
攻撃せずにどうするというのだと、誰もが眉を寄せる。
「五パーセント……十パーセント……」
どんどん闘悟の魔力が上がっていく。
一番近くで感じているバンリドは確かに不動を保ってはいるが、精神的に苦痛を強いられていた。
これほどの魔力を直に感じているのだから仕方無いのかもしれない。
その表情を見て闘悟はなるほどと思った。
だが、それはまた別の話だと一度忘れる。
(し、しっかりするんじゃ! あと四分程、これに耐えれば俺の勝ちじゃ!)
バンリドは気合を入れ直す。
(しかし、何ちゅう魔力じゃ! まだ増えとる! どこまで化け物なんじゃこの男は!?)
未だに衰えることを知らない闘悟のとてつもない魔力に足が竦(すく)みそうになる。
そして、その膨大な闘悟の魔力がバンリドの周囲を覆っていく。
「これでどうだぁっ! 十五パーセントッ!!!」
すると、舞台が二人を中心にして全て弾け飛ぶ。
また、二人を中心にして、魔力が台風のように渦巻き始める。
あまりに高密度の魔力のせいか、誰の目にも見えるように魔力が具現化している。
これはとても異常な事だった。
普通魔力を視認できるのは限られている。
だが例外があるとするなら、こんなふうに膨大で濃密な魔力が目の前にある時だ。
達人が何百人も集まって、ようやくそのような状況を生めるのに対して、闘悟はそれを一人でこなしている。
誰もが唖然と見つめるのも無理は無かった。
青い魔力の竜巻が二人を中心にして回転力を増していく。
闘悟は解放した魔力全てでバンリドを包んでいく。
ステリアとウースイはその場から避難するように離れる。
「ト、トーゴ選手! とてつもない魔力です! その魔力は肉眼でハッキリ見えるほど高密度のようです! しかもそれが舞台を吹き飛ばしてしまいましたぁ!」
「これほどの魔力を制御している彼には脱帽(だつぼう)、いえ、それ以上ですね」
モアとフレンシアの言う通り、先程起こったタイセーの魔力暴走の比ではない
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