第八章 望郷の小夜曲
第二話 友達
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…じゃあ、あなたは何で部屋に引きこもったままなんですか」
常人ならば、怯えて声が出せなくなるほどの感情が詰め込められた言葉を向けられながらも、シエスタは怯むことなく反発するかのように厳しい声を上げる。
硬い声で非難するような声を放つシエスタに、ルイズはぽつりと囁くような声で質問を投げかける。
「あなた……サモン・サーヴァントについてどれだけ知ってる?」
「? 何をい…………そう、ですね……サモン・サーヴァントですか……わたしはメイジじゃないので良くは知りません」
ルイズの質問に質問で返しそうになったシエスタであったが、疑問の声を飲み込むと小さく首を振る。
「そう……なら教えてあげる」
シエスタの答えを聞くと、ルイズは微かに頷くと口を開く。
「サモン・サーヴァントは、わたし達メイジの使い魔を召喚する魔法よ。召喚ゲートから呼び出される使い魔は、大体は呼び出すメイジの系統を象徴するような動物や幻獣が選ばれそう
よ。そして―――」
ルイズは無表情だった顔に小さく歪な笑みを、怪訝な顔をするシエスタに向ける。
「サモン・サーヴァントは、契約した使い魔がいれば呪文を唱えても召喚ゲートが開くことはないの」
「? それが一た―――っ……」
唐突にサモン・サーヴァントの説明を始めたルイズの意図が読めず、困惑していたシエスタであったが、ルイズの説明の最後の言葉に、天啓のようにその答えが閃いた。閃いたその答えの余りの恐ろしさに、シエスタの身体がカタカタと震えだす。
「あんな話……信じられる理由ない。だから……そうよ……そのことを証明するためにも……サモン・サーヴァントを唱えたのよ……わたしにはシロウがいる。だから……ゲートが開く筈なんか…………でも…………」
「…………開いたんですか」
その時のことを思い出したのか、目を見開き、ガタガタと震え、声が出せなくなったルイズの言葉の続きを、同じく身体を震わせるシエスタが口にした。
「……そう……よ……ゲートは開いた……はっ……はぁ……な、なら……っあ……し、シロウは、し、シ……」
サモン・サーヴァントの呪文を唱え、ゲートが開いた。
その答えは一つしかない。
メイジ一人につき使い魔は一つ。
つまり、ルイズの使い魔である衛宮士郎は、死ん―――
「―――死んでいません」
喉に何かがつっかえたかのように、荒い呼吸の中、士郎の死を告げようとしたルイズの声を遮ったのは、
「シロウさんは、絶対に死んでなんかいません」
未だ微かに身体を震わせるシエスタであった。
「シロウさんは絶対に生きています」
「っ、な、何でそんなこと言えるのよ……っ!!」
シエスタの余りにもハッキリとした断定に、ルイズ
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