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自由の灯り
第十七話
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なっていると、ディアも少し顔を赤くしながら、口を開けてオムライスを食べる。

「う・・うん、凄く美味しいよ」
「本当?・・よかったぁ」

カノンノは安心した表情を浮かべると、少し慣れたのかまたオムライスをすくうとディアの口元に運び、またディアもそれを食べて、時間をかけてオムライスを食べ終わらせる。
ココアも飲む終わると、二人はすることが無くなり、しばらくボーッとしているとディアが話しかけてきた。

「ねえカノンノ、ディセンダーって何?前にウィルさんから名前だけ聞いたんだけど・・」
「ディセンダーのお話?えっとディセンダーは世界樹から生まれた無垢な存在なの、生まれた時から記憶がなくて、不可能も恐れも知らなくて、いずれか世界を救ってまた世界樹に戻っていくんだって」
「へえ~、記憶がないのは僕と同じだね」

ディアが天井を見上げながら呟くと、突然ディアの頭に激痛が走る。
あまりの痛みにディアは両手で頭を押さえると、カノンノが慌てながらディアに近付く。

「うっぐぅ!」
「ディア!しっかりして!大丈夫!!」

カノンノの叫び声は耳に届かず頭の中で知らない誰かの声が聴こえてくる。

・・・たは・・る・・・・き・・

「うぅ・・・!(誰の声?)」

腹部の痛みも関係なくうずくまると、今度は違う別の人の声が聴こえてくる。

ル・・・・ぬ・・!

今度の声は聞き覚えがあった、アドリビトムの一員で一度戦ったヴェント・デュランの声だった。
しばらくすると、そのまま頭痛は治まり、声も聴こえなくなった。

「はぁ・・・はぁ・・」
「ディア!」
「だ・・大丈夫・・もう治まったから」

涙を流しているカノンノにディアは大丈夫だといいながら、また腹部に痛みが走って来たのでベッドに横になる。
涙をポロポロ流しているカノンノの頬を撫でながらディアは何度も「大丈夫だよ」といいカノンノを落ち着かせる。

「よかったぁ、ディア・・」
「心配してくれてありがとうカノンノ、僕は大丈夫だから」

そう言うと、ディアは先程の声を思い出す。

(一人はわからなかったけどもう一人はヴェント?何でヴェントの声が・・けど今はいいか今はカノンノを安心させたほうがいいだろうし)

そう考えたディアはまたカノンノの頬を撫で始める。
ディアは心の中でだんだんとわからない感情が出てきたのに気付き、これがなんなのか疑問に思い始めた。

(どうしてだろ?皆大切な友達なのに、カノンノだけは違う気がする、カノンノが泣く姿を見たくないし、この命にかえてもカノンノを守りたい、とにかくカノンノだけが何か違う感じがする、今度マルタ辺りに聞いてみようかな?)



続く
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