第十七話
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が見えなくなると、一度立ち上がろうと思い体に力を入れてみる。
「!!・・うぐぅ!!」
しかし、腹部にはカノンノに抱き締められた時よりも強烈な激痛が走り、ディアは痛みに耐えきれずそのまま横になる。
自分の体を見てみると、何重にも巻き付けられた包帯があり、カノンノがずっとここに居た痕跡がある。
「カノンノ・・・ずっと僕のこと見ててくれたのかな?後でもう一度お礼を言おう」
「ディアさん!目が覚めたんですね!」
「あ、アニー、目は覚めたけど、全く動けないや」
医務室に入って来たアニーを見てディアは右手で自分の頭を掻くと、アニーは「仕方ありませんよ」といい、側にあった椅子に座る。
アニーがディアの体を見てから、しばらく考え込むと、まだ完治するのには時間がかかると言われ、ディアは了解すると、アニーが治療したのか聞いてみる。
「はい、ほかにもエステルさん、ミントさんが手伝ってくれました」
「そっか・・後で二人にもお礼を言わないと、アニーもありがとう」
「お礼なんていいですよ、それにカノンノはずっとあなたの側に居てくれたからカノンノにお礼を言ってください」
アニーはそういうと仕事があると言い残すと、そのまま医務室を出ていく。
医務室に一人になったディアは改めてカノンノのことを考え始める。
「カノンノ・・そんなに僕の面倒見てくれたんだね」
いろいろ考えていると、カノンノが両手にお盆を運んで医務室に入って来た。
お盆にはオムライスとディアの大好きなココアが乗っていた。
「ディア、お待たせ~」
「お帰りカノンノ、それとありがとう、ずっと僕の側に居てくれたってアニーが」
「大丈夫だよ、それに私がディアの看病したかったらだけだし」
カノンノは微笑みながら料理を持ってくると、ディアは動こうにも動けないことに気付きどうするか考え込む。
カノンノはディアが考え込んでいるのに気付き、質問してみる。
「どうしたの?」
「えっと、体が動かなくて、ベッドに寄りかかることならできるんだけど」
ディアはなんとか体を動かし壁に寄りかかるが、そこからは動けないという態度を見せる。
カノンノもしばらく考え込むと、一つ考えが浮かんだような顔をするが、すぐに顔が真っ赤に染まっていき、俯いてしまう。
「カノンノ?どうしたの?」
「・・・」
しばらくカノンノは黙りこんでいると、意を決したように赤くなってる顔を上げスプーンを持ってオムライスをすくうと、そのままディアの口元に運ぶ。
ディアは一瞬何がどうしたのかわからない様子でカノンノを見ていると、カノンノは小さな声で答える。
「その・・・私が食べさせてあげる、だから、あ、あ~ん」
カノンノはもう今にも倒れるんじゃないかというくらい、顔が真っ赤に
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