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王道を走れば:幻想にて
第四章、幕間:爛れた部屋 その2 ※エロ注意
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 白目を剥いて気絶する彼を忘我の境地でチャイ=ギィは見下ろす。身体に宿る情念の火も、相手がいなくなればただ燻るしか出来なくなる。慧卓以外の男に抱かれる気が更々無い彼女が出来る事は、今日の行為を中断する事のみであった。隠し様の無い欲求不満を抱えながら、チャイ=ギィは慧卓を睨むように彼の肉棒を咥えた。表面や尿道に残る精液を全て啜りつつも、彼女の瞳から剣呑さが消える事は無かった。
 かくして慧卓とその他数名による、数時間の狂態は此処で一先ず幕を下ろすのであった。盗賊団を討伐してから二日目の夜の事であった。


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 さて、慧卓が意識を取り戻したのは行為が終わった次の日の昼頃であった。薬の効果は完全に消え去ったが、体力不足が祟って全身に倦怠感が残ってしまい、一日静養の命令をソ=ギィから受けてしまったのだ。あれだけの求愛を受けながらギィ母娘とアリッサに疲労は見られない。受ける側と出す側における消耗の違いが、此処に現れているといえよう。
 余談ではあるが、慧卓らが摂取した粉末状の精力剤は、あくまでも服用した個体の精力を一時的に向上させるだけであり、絶対多岐な体力が突然備わるというわけではない。生殖時にはその者本来の体力や耐久性は変わらず、故に精子を出し過ぎて死ぬ可能性というのも有り得ない話ではなかった。慧卓の場合については全てを出し切る前に気絶したため、魂まで放出する羽目にならずに済んだ。

「気分はどうだ、ケイタク?」
「・・・だるいです。凄く」

 頭に乗せられる冷えた手拭はまるで氷のようであり、慧卓は心底安らかになったかのように顔を和らげる。水の冷たさを帯びたアリッサの手が熱ぼったい彼の頬を撫でる。心配そうに見遣ってくる彼女はゆったりとしたエルフの衣服に身を包んでおり、今がプライベートの時間であると言外に伝えてくれた。
 呆れ混じりの口調で彼女は問うてくる。

「都合何発出したんだ・・・?七か?八か?」
「そんなの・・・数えたくないです。疲れすぎて」
「精豪でなくてよかったな。あれ以上やっていたら死ぬ所だったんだぞ。汗も掻き過ぎていたし、おまけに脈も全く治まらなかった。本当に冷や冷やしたんだからな!
 ・・・体調が回復したら覚悟しておけよ。行為を中断させられたチャイ=ギィ殿が御冠だ。気持ちが分かるからな、私には彼女を止める事など出来ん」
「マジですか・・・怖いなぁ。また身体が枯れそうだ」
「ついでに言っておくがっ、私との行為も暫くは駄目だ!あ、あんな激しく責められるのはっ、私の趣味ではない!!余裕を持ってからやるべきだ!!」
「は、はぁ・・・次回は頑張ります」

 懲りるという事を知らぬ無駄に意地っ張りな男の欲望を垣間見た気がして、アリッサはほとほと呆れたように首を振り、慧卓の
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