TURN70 ドクツ軍の崩壊その七
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「これだけ言えばわかるな」
「わかる。ではだ」
「返答を聞きたい。どうか」
「私はドクツの軍人だ」
これがマンシュタインの返答だった。
「そういうことだ」
「そうか、わかった」
「でははじめるとしよう」
「残念だが止むを得ない」
ジューコフもこれ以上は言わなかった。そして。
マンシュタインはドクツ軍の主力はプロイセンまで逃がすことは出来た、だが彼がプロイセンに戻ることはなかった。
エイリス軍主力も遂に動いた、ロレンスはロンドンからパリに攻め込んだ。
パリを守るドクツ軍は僅かだ、彼は将兵達にこう命じていた。
「一般市民は攻撃しない、降伏は即座に受け入れる」
「無駄な血は流さない」
「そして速やかにですね」
「パリに入城する。ルイ陛下はパリに戻られる」
同盟国であり亡命してきた彼のことも忘れていない。
「そしてパリに入城しても」
「はい、わかっています」
「略奪暴行の類は厳禁ですね」
「それは決して」
「我々は騎士であることを忘れないで欲しい」
ロレンスならではの言葉だった。
「それはドクツ本土でも同じだ」
「ドイツ星域に入っても」
「それでも」
「一マルクでも奪った場合は銃殺にする」
何としても許さないというのだ。
「このことは一兵卒に至るまで徹底していく」
「そして女王陛下に勝利を」
「それを捧げましょう」
「無論だ。では祖国殿」
ロレンスは今度はモニターに出て来たイギリスに応えた。
「共にドクツ本土に向かいましょう」
「そうしような、しかし夢みたいだな」
「ドクツ本土に攻め入ることがですね」
「ほんの数ヶ月前まで向こうが来た時のことを考えてたからな」
バルバロッサ作戦の後の第二次アシカ作戦のことだ。
「だから今はな」
「まさに急転ですな」
「全然変わったな」
「全くですね。では」
「ああ、目指すはドクツ本土だ」
そこへの侵攻だった。
「一気に行くか」
「パリを占領し一部をプロヴァンスに向けます」
オフランス南部の星域だ。
「そして主力はドイツ星域です」
「本当にいよいよだな」
「ソビエト軍はシャイアンから一気に攻めます」
まだ彼等はその星域でのソビエト軍の勝利を知らないので予定の話になっている。
「ハンガリー、オーストリア、ブルガリア、ルーマニアに兵を進め」
「それで向こうの主力はプロイセンか」
「東部戦線もそうなっています」
「そしてイタリンもだよな」
「既に北アフリカは奪還しました」
彼等にとって悲願の一つは既に達成されていた。
「そして今ナポリに侵攻中です」
「勝てるな」
「イタリン軍は数に入りませんし」
ロレンスも彼等のことはそう見ていた。
「ですから特に」
「問題はないよな」
「ローマに何
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