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神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第三十四章 魔女は翔び、鳥は飛ぶ
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見せてやるよ」
「分かったよ、その賭け事に乗ろうじゃねえか。もしお前が勝ったら学勢仕切るのはオレじゃなくてお前でいいぜ」
「言ったからには守ってもらうよ。よおーし、やる気湧いて来たあ――! 翔べ! 火炎ノ緋翼――!」
 腰装着型加速機の出力を一気に上げ、緋の鳥型騎神は垂直に翔んだ。
 突如として生まれた風は仲間を吹き飛ばす程に強く、空を塞いでいた上の貿易区域の一ヶ所が開いて、勢いそのまま敵艦を越えて上空高く飛翔した。
 天上に届くまでは行かないものの、緋の騎神は高く、高く上がり、急斜面を滑降するように西貿易区域へと向かって行った。
 帽子が落ちないようにつばを掴みながら、継叉らは日来からそれを見ていた。
「やる気湧き過ぎだって。……それじゃあ、ぼく達も作業に取り掛かろうか」
「にしても、ありゃあちゃんと機能するのか? 使われてるもんが武器用のもんじゃねえから熱に弱いぞ」
 騎神用の武器のことだ。
 日来には武器用に適した材料が少ない。そのため作業用の材料を代用しているが、武器に適したものではないため故障し易いと思われる。
 だが贅沢は言えない、そこは他でカバーするしかないのだ。
「一応は冷却用の術式を入れてるから、どうにかなるんじゃないかな。と言って溶接を防げても使い捨て覚悟に造ったものだから、この戦いで役目は終わるだろうね」
「お前は騎神関係に詳しいからな。さすが中西武国出身、騎神はお任せあれってか」
「中西武国は関係無いよ。ただ機械が好きだから、自分でそのための知識を学んだ。上に立つことに酔いしれたあいつらとは違う」
 怒りにも似た感情を秘めた言葉は、何処か覚悟をしたような力強いものだった。
 増田はゴーグルで隠した瞳で継叉を見て、ああ、と一言。
「そうだな、出身国なんざ関係ねえな。日来で騎神に詳しい奴は数少ねえ、頼りにしてるからな」
「……人手が必要なら手伝うぞ……」
「ありがと、なら早く取り掛かろうか」
 早く取り掛かるのは入直に武器を早く渡すためでもあるが、この作業に関わる者達は必然的に優秀な整備士達であるため、敵艦の砲撃により傷付いた箇所の修復をしている者達の元へと早く彼らを向かわせるためでもある。
 役目を持たないものは足早にその場を去り、各自のやるべきことに取り掛かった。
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