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神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第三十四章 魔女は翔び、鳥は飛ぶ
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て、くす、と笑った。
 魔力によって犠牲した体温は、魔力でしか完全には回復出来無い。冷却符によりある程度回復力は出来るが、ある程度でしかない。
 ならパートナーをさっさと探せばいい。
 残念だが、パートナーは簡単に探せるものではない。
 魔力で犠牲にした体温は魔力でしか回復出来無い。これが意味することは、自分の魔力と相性の良い魔力を持つ者が必要ということだ。
 魔力にも拒否反応というものがあり、自分の魔力と相性の良い魔力を持つ者を探すのはかなりの時間を使う。最悪、相性の良い魔力を持つ者はこの世にいない可能性もある。
 だが、自分のパートナーはいるにはいるのだが、とある事情で離れている。
 魔装したからといって騎神に敵うわけはないし、早々に敗れる可能性が高い。
 他にも心配要素はあり、それは自身の力だ。
 この力は本来の自分の力ではない。だからか、この力を使うと時々自分を見失う。
 しかし、だからと言って、誰かがやらなければならないのならば。
「分かったよ」
『ありがとう、助かるよ。無理だと思ったらすぐに離脱しても構わないから、出来るだけ時間を稼いでくれ。今から行けば間に合う筈だ、健闘を祈るよ』
「了解。またの連絡は手短にねえ」
 手を振り、レヴァーシンクの微笑みが映る映画面が消えた。
 力のある者がやらなければ、力の無い者に負担を掛けてしまう。そうはさせない、日来は自分を受け入れてくれた。
 そのためなら、この力を使う理由はある。
「本当に大丈夫なんですか」
 心配なのか、仲間が声を掛けて来た。
 頷き、
「無理はしないつもりだよ。冷却符で何処まで保つかが心配だけど」
「あの中二病野郎、マギトに余計な負担掛けさせやがって……」
「抑えて抑えて、本性剥き出しちゃってるよ」
「あら、いけない。美人な私がこんな言葉遣いはいけないわ」
「女性って怖いですよねえ」
「あ、貴方も女性なのだから、それを言えたことではないでしょ!」
 頬を赤め、焦った様子で言う。
 それを見て二人は笑い、更に彼女の頬が赤くなる。
 悔しそうに、くう、と唸っていた。
「ははは、可愛いねえ。んまあ、それじゃ、行って来る」
「はい、無理はしないでください。絶対に」
「気を付けるのよ。一人じゃ駄目だと思ったら、呼んでくれればすぐに行くから」
「はいはーい、ありがとー。二人も頑張ってねー」
 二人から少し離れ、行く前に言葉を交わす。
 心配そうな目付きで見てくるが、平気だと、笑い伝える。
 何かを言いたそうだが、これ以上時間を割くわけにはいかない。
 背を向け、動き出すため加速機の出力を上げる。
 数秒後、跳ねるように貯めた力を放ち、行った。
 大気を割き、風を割き、二人との距離を開く。
 徐々に小さくなるその後ろ姿を見て
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