暁 〜小説投稿サイト〜
神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第三十四章 魔女は翔び、鳥は飛ぶ
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山での戦闘により、負傷した箇所に機械部が集中的に修復に向かっているため他の箇所まで手が届いていない状況だ。
 さすがは戦闘艦、と思いつつも答えを返す。
「修復は確かに簡単だけど、修復してもまた壊されたら意味無いよね。それに機械部は機械部で忙しいし、渡り道の修復に割ける人材は厳しいから、この戦いが終わるまでは手を付けないと思うなあ」
「材料も鉄とかだから無駄に消費したくないところよね。まあ、私達は私達の仕事をすればとやかく言われないし別にいいんだけど」
「毎度、自分に直接関係無いことは他人事ですねえ」
「だって関係無いのだから仕方無いわ」
「そんな彼女はクールビューティーと言われるのであった」
 戦闘中なのに笑う三人の元に、一つの映画面|《モニター》が表示された。
 船上が映っており、映る人物は伊達眼鏡を掛けた中二病の同級生だ。
『楽しんでるとこ申し訳無いけど、君に頼み事があるんだ』
「私?」
 中二病患者ことレヴァーシンクは、笑みの得たマギトの方を見た。
 何用かとマギトは首を傾げ、彼の言葉を聞いた。
『先程“日来”経由で騎神の存在が確認されたんだ。そこで魔装を使える君に戦ってもらいたいんだけど、出来る?』
「どーだろーねえ、んで何機確認出来たの?」
『三機だよ、低空飛行をしていたところを確認したらしくてね。霊憑山での戦いでステルス艦がいたから、流魔関知を発動していたら引っ掛かったみたいだよ』
「なるほどねえ。狙いはやっぱり結界の破壊に向かった日来勢だよね」
『当たり、それも学勢の方をね。入直の方にも連絡して、騎神の調整が終わったら向かうらしいよ。後はネフィアにも頼む予定だ。別に騎神を破壊しろなんて言わないよ、ただ騎神と遊んでもらって戦闘に参加させないためだ』
 聞くも、出来れば騎神との戦闘は避けたいところだ。
 入直は作業用と言っても騎神の操縦者だからで、自分よりは有利に戦える。一方のネフィアは半獣人族であり、戦闘貴族のご令嬢だ。幼い頃から相当の訓練をさせられ、無論、騎神相手の戦闘訓練もしているだろう。
 それに対し自分はパートナーのいない魔法術師だ。
 魔法術師は魔力を使う際、体温を犠牲に使用する。
 魔力には二種類あり、一つは暖ノ魔力。
 使うと体温が上昇する。そのまま使い続ければ体温は上がり、最終的には体内の深部が焼けるか溶けるかして死ぬ。
 もう一つは寒ノ魔力。
 暖ノ魔力とは逆に、使うと体温が下がる。考えれば分かる通り、最終的には眠るように死ぬ。
 自分は前者の暖ノ魔力を使うので、先程汗をかいたのはそれが原因だ。
 騎神との戦いは長期戦になることは間違い無い。だからこそやりたくないのだ。
 なら体温を冷やせばいいと考えるが……、
 それが甘いんだなあ。
 自問自答をしている自分がおかしく
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