黄巾の章
第16話 「呼んだ?」
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策たちが去っていった方向を睨む。
あいつは敵だ!
「す、翠? ちょ、顔が怖いって! どうしたんだ?」
どうしたんだ?
どうしたんだ、だって?
「そんなもん、決まっているだろうが!」
「うおっ?」
よりにもよって、あたしの初こ……ゲフンゲフン!
ともかく!
「アイツには油断するなよ! いつ寝首をかかれるかわからないぞ!」
「い、いや、さすがにそれはないだろ。黄巾は共通の敵だし、官軍であるこちらと敵対するメリット……得がない」
「そういう意味じゃない! あたしの盾二に……」
「は?」
……え?
あたし、今誰になにをしゃべっている?
「はわっ!? じゅ、盾二?」
「は?」
あわ。
あわわ。
あわわっわわわわわ!
「○×▲■$%&! は、はわーーーーーーーっ!?」
きゃーっ!
今、今もろに、もろに告白しそうになったー!?
あ、たし、あたしの、盾二って……ぎゃーっ!?
あたしは盾二の顔が見られず、その場を駆け出していた。
―― other side ――
「なんだ、あれ?」
「ほっとけ。御遣い様の周辺はいつもあんなもんだ」
「そうだな」
――羨ましくも、関わりあいになりたくない。
義勇兵と董卓兵の思惑は、合致していた。
―― 周瑜 side ――
「まったく、貴方ときたら……」
「わ、悪かったわよぉ……ごめんね、めーりん」
私の目の前で正座をしている雪蓮。
この行き当たりばったりな主は、本当にどうしてくれよう……
「……でも、わたしの言ったとおりだったでしょ?」
「……なにが?」
「あの天の御遣いよ。あれは孫呉百年の礎となるわ。絶対に捕り込みたいわね」
「捕りこむって……簡単に捕りこまれる感じではなかったぞ、あれは」
確かに低姿勢の裏に隠された自信と、歳に似合わない深慮遠謀は感じられたが……
「策殿はそう言うが……儂にはいまいち信じられませなんだ。本当にそれだけの価値があの小僧にあると?」
祭殿は、そういって頭を掻く。
「もっちろんよ……といっても、いつもの勘なんだけどね」
「策殿の勘は、すでに予言といっても良いぐらいじゃからな……信じはするが、正直儂はまだ納得は出来ん」
「祭殿の言われるとおりだ。しかも初対面で言ったそうだな、夫になれと」
「そうよ?」
そうよ、って……
この考えなしのでたらめ王は……
「普通の男が、じゃあ夫になります、と言うと思っているのか、雪蓮は」」
「えー? でもでも、わたしみたいな可愛い女の子に言われたら、普通はうんって頷かない?」
「ど・の・
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