黄巾の章
第16話 「呼んだ?」
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したもの、と思ってはおりますが」
「ふむ……まあわかる気はするがの。一応、官の人間としては耳が痛い話じゃ」
「すみません……まあ、ウチの大将である張遼も、その件についてはただの噂であるとしておりますので」
「御遣い云々は噂でも、その成した功までは噂ではあるまい? 損害なしで倍近くの黄巾を倒したと聞いたが」
耳が早いな……
まあ、あれから一月は経とうとしているし、伝聞ぐらいは大陸全土に広まわっていると考えるべきか。
義勇軍で、噂をばら撒いたしなー……
「まあ、全部が私の仕業、ではありませんよ。義勇軍の皆のおかげです」
「では、真だと?」
「結果自体は本当ですから」
「むう……」
黄蓋さんが黙ると、その横にいた周瑜さんがこちらを見る。
「軍師としてお聞きしたい。どうやったのですかな?」
「そんなに大したことは。六千で一万の時は、誘き出して罠に嵌めました。董卓軍との共同戦線では、山の砦に籠もっていたので炙り出して、奇襲です」
「……さすがに詳しくは教えてはいただけませんか」
「まあ、軍師が手の内を全て曝け出しては軍師といえないでしょう。ただ、私はできるだけ損害は少なくしたい、と思っています」
「それは……まあ当然ですな」
「ええ。私にとってはこの世の全ての軍師が師匠ですから」
周瑜、孔明、陸遜、鳳統、荀ケ、賈駆、それに郭嘉に程c。
およそ軍事や政治に携わったこの時代の人間の知恵は、後世においても非常に有益だ。
だからこそ、目の前にいる彼女もまた未来の人間、その全ての師の一人なのだと、俺は考えている。
「この世全ての軍師が師匠……貴方は大層な志をお持ちのようだ」
「私が? ……そんなことは初めて言われました」
俺に志?
俺は一刀さえ無事なら……
「ご謙遜を。他者の策や政道を全て身に蓄え、発露しようする。それは志なくば行おうとするものではありますまい」
俺の……志?
「この戦での貴方の戦術、この公瑾、楽しみにさせていただきましょう。では……いくぞ、雪蓮」
「あん、待ってよ……痛っ! みみ、耳をひっぱらないで! 痛いからっ!」
「やかましい、お前には説教だ」
「めーりーん……お願い、かんべんしてー」
「やれやれ……では、儂も失礼する」
俺は三人を呆然と見送った。
俺の……志?
俺の志って……なんだ?
一刀を助けた後……この世界でなにをしようとして……?
そう考え、なにか……そう、なにか致命的な事が抜けている気がした。
それは――
「おい、盾二!」
翠の声で霧散してしまった。
―― 馬超 side ――
がるるるる……
思わずあたしは、孫
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