暁 〜小説投稿サイト〜
真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
黄巾の章
第16話 「呼んだ?」
[3/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
で頼む。
 誰かどうにかしてくれ!

「いいかげんにせんかーっ!」

 スパーン、という軽快な音と共に、隣にいた孫策さんの頭が沈む。

「いったーい! 誰よ、もう!」
「儂じゃ!」

 振り返ると、褐色の肌の豊満な胸の女性がいた。
 ……でかいな。

「なによぉ……(さい)じゃない。邪魔しないでよ」
「邪魔もなにもあるか! ここは陣内じゃぞ!? 兵の士気に関わるからやめい!」
「これは将来の孫呉に関わる事なの! 黄巾なんか後でどうとでもできることなの! だから……」
「だから、なんだと?」

 おや?
 別のところからも声がする。
 振り返ると、黒髪でこちらも褐色の肌の女性が、こめかみをピクピクしながらこちらを睨んでいる。

 ……さっきの人ほどじゃないけど、こちらもでかいな。

「あ……冥琳(めいりん)
「『あ……冥琳』ではありません。孫策様……ご自分の立場をわかっておいでか?」
「や、やーね……ちゃんと真名で呼んでよ……わ、わかっているわよ? わかっているからこうして……」
「こうして?」
「……そ、孫呉のために子種をもらおうと……」
戦場(いくさば)で?」
「………………」
「………………」

 うう……
 無言がつらい。
 というか……いい加減、絡ませた腕を離してくれないかなあ。

「……はあ。わかったわよぅ……」

 そう言って、すっと離れる孫策さん。
 た、助かった……

「うちの『バカ』が失礼しました……」
「ちょっと、冥琳! バカってなによ!?」
「あぁんっ!?」
「ヒッ!」

 うわ……あの女の人の一睨みで、孫策さんが後退(あとずさ)る。
 ちょっと、俺も怖かった……

「失礼しました……私は姓が周、名は瑜、字は公瑾(こうきん)と申します。孫策軍の軍師をしております」
「儂は、姓は黄、名は蓋、字を公覆(こうふく)と申す。孫呉の将をしておる」

 ほお……かの名軍師に孫呉三代の武将、黄蓋か。
 女性なのは、もう諦めた。

「ど、どうも……私は北郷盾二。董卓軍……というより、義勇軍を率いている劉備の軍師をしております。現在は董卓軍の軍師も兼ねていますが……武将として前線にも出ますので、よろしくお願いいたします」
「ほう……軍師であるのに武将でもあると」
「まあ、義勇軍ですからね。人材不足なので」
「ふむ……ちなみにお主が天の御遣いと聞いたのじゃが、ほんとうかの?」

 黄蓋さんが尋ねてくる。
 これ、毎回訂正しないといけないのかな……?

「正直、私にはなんとも。ただ、義勇軍の皆がそう思ってくれているのは確かではあります。まあ、この官吏が乱れた世の中で、誰かに助けて欲しいと願う民衆が、態のいい縋る存在として呼び出
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ