黄巾の章
第16話 「呼んだ?」
[1/7]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
―― 馬正 side 宛 包囲陣内 ――
「第一回! 盾二様を盗られるな! 対策会議ー!」
「わーパチパチパチー」
「……なんで私はここにいるのだろう」
私は、二人が手を叩く前で頭を抱えている。
今の私は、髭も剃り、髪を整えてすっきりした顔をしている。
髭を剃るとあまり威厳がなくなりそうで、本当は嫌だったのだが……
「何を言っているんですか! 馬正さん、お髭剃って髪を整えたら、ずっと若くて格好よくなるじゃないですか! 雛里ちゃんのためにもずっとそうしていてください」
「…………(うんうん)」
いや、確かに何度も泣かれるから、どうしたらいいか盾二殿に聞いたら……
『うーん……髪整えて髭剃ったらどうかな? 男には格好いいと思われても、女性は意外に髭が嫌いな子が多いし』
その言葉で剃ってみたら……
「ずっとそのままでいてください!」
「…………(コクコク)」
あからさまな態度の変化に戸惑う。
……そんなに髭が嫌でしたか。
「で、なんで私はここにいるのですかな?」
「なんで!? 聞いてないんですか!?」
?
孔明殿は、驚愕した顔でこちらを見ている。
「昨日、孫策さんと言う方が、盾二さんに結婚を迫ったそうです!」
なんと!?
「孫策という方は、どんな女性なので?」
「……なんでも、袁術軍の客将で、えっと、江東の虎といわれた孫堅さんの娘さんだそうです」
「孫堅……ああ。長沙の太守だった方ですな。確か亡くなったと聞きましたが」
鳳統殿の言葉に、しばし唸る。
確か本人が亡くなったことで、力で抑えていた各部族や賊が蠢動し、その事で太守を罷免されたはず。
今は南陽太守の袁術殿に身を寄せている、と聞いたことがある。
「その方と盾二殿に面識が?」
「本人はないそうです。初めてお会いしたと」
「は、初めてですか……それは俗にいう、『一目惚れ』というやつですかな?」
「は、はわっ!?」
一目惚れ、の言葉に頬を染める孔明殿と鳳統殿。
「一目惚れ……素敵かも」
「だ、だめだよ、朱里ちゃん。篭絡されちゃ……相手は敵だよ」
「は! そ、そうです。そうでした……私達から盾二様を奪い取ろうとしているんです!」
「そうだよ……負けちゃだめだよ……ただでさえ、敵は多いんだから……」
「そ、そうだね。桃香様に愛紗さん、翠さんにもしかしたら霞さんだって……」
「盾二様は、誰にでもお優しいから……」
「私達こそが盾二様の一番に……」
「うん……だから孫策さんには……」
「「ふ、ふっふっふ……」」
…………
こ、恋する乙女は盲目ですな……
「そう……私達は盾二様を、孫策さ
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ