託される思い
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、マッピングする苦労が解って言ってんのか!?」
そう、マッピングとは苦労が付き物であり、そのためマップデータは貴重な情報源であり高値で取引されるほどだ。それをタダで提供するということは相手にはメリットがあっても自分にはただ苦労して迷宮区をさまよっただけというなんとも理不尽なものしか残らないということ。
当然、普通の人なら断るに決まっている。
「我々は君ら一般プレーヤーの解放のために戦っている!諸君が協力するのは当然の義務である!」
「ちょっと、あなたねえ・・・」
「てめぇなぁ・・・」
今にも怒りが爆発しそうなアスナとクラインをキリトとシオンが制すると、
「どうせ街に戻ったら公開しようと思っていたデータだ、構わないさ」
「そうだな、持ってたところでしょーがないし」
「おいおい、そりゃあ人が好すぎるぜキリト、シオン!」
シオンはウィンドウを操作してコーバッツにマップデータを送った。
「協力感謝する」
コーバッツが立ち去ろうとしたとき、キリトが言った。
「ボスにちょっかい出す気ならやめといたほうがいいぜ」
「それは、私が判断する」
「さっきちょっとボス部屋を覗いてきたけど、生半可な人数でどうこうなる相手じゃないぜ。仲間も消耗してるみたいじゃないか」
「私の部下はこの程度で音を上げるような軟弱者ではない!貴様等さっさと立て!」
コーバッツの声にメンバーたちものろのろと立ち上がると再び前進しはじめた。やがてその姿はどんどん小さくなっていった。
「大丈夫なのかよあの連中・・・」
「・・・シオン、どう見える?」
シオンは目を閉じ、うーん、と唸ってから言った。
「妥当な判断とは言えないな。あのコーバッツって中佐、あの軍の状態で攻略する気だな。あの軍はたしか低層フロアを支配してるからおそらくここで攻略すれば軍の支持率が上がるだろうと考えてるんだろうな。だが、あの状態で行けば攻略できたとしても部隊の大半を失いかねないな」
「そんな・・・」
「かといってこのまま放っておくわけにはいかないよな〜、キリト」
「お、俺!?」
キリトはすっとんきょうな声を上げた。シオンは呆れた顔で、
「お前な、さっきから行きたい行きたいみてーな顔してるぞ。分かりやすいんだよ、お前は。で、どうなんだ?行くのか行かずにこのまま街に戻るか?」
「・・・一応様子だけでも見に行くか・・・」
キリトがそう言うと、やれやれとシオンは首を振りながらいってキリトについていく。他のメンバーも相次いでついていった。
そんな後ろでクラインがアスナに何か言っていた。
「あー、そのぉ、アスナさん。ええっとですな・・・アイツ等の、キリトとシオンのこと、宜しく頼んま
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