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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜Cross storys〜
episode of cross:応報
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がふらついている。

「だい……じょうぶ、か?」

掠れた喉で、セモンはどうにかそれだけを言う。幸いなことに、返事はすぐにあちこちから返ってきた。

「あ、ああ……」

「どうにか………な」

「だいじょーぶだよ」

「な、なんとか………」

その返事がきっちり四人分あるのを確認し、セモンは腰から己の得物《ソード・オブ・アマノムラクモ》をしゅりん、と音高く抜き放つ。

陽光が、澄んだ蒼い刀身を美しく煌かせた。そしてそれを、肩に乗せるようにして構える。直後、システムがソードスキルの発動を検知し、キイィィーン、と飛行機のジェットエンジンを思わせるサウンドエフェクトが響き渡り、刀身から血色のライトエフェクトが漏れ出でる。

《神話剣》専用片手剣技、《モエサカル・ストライク》

セモンは溜めていたエネルギーを引き絞り、一気に解き放った。

その絶大なるエネルギーは、しかし暴走などを引き起こすことなく、セモンの狙った箇所に正確無慈悲に突き刺さった。

すなわち、足元の地面へと。

「なにっ!?」

狼狽する声。だが、それすらもすぐに立ち昇った土煙が覆い隠した。

「走れェ!!」

誰かが発したその声に、全員が動いた。セモンも、ありったけの力と意思を両足に込める。

直後、足元の地面が爆発するようにはぜた。周りのテクスチャが溶け崩れ、放射線状に後ろに流れていく。薄灰色の煙がみるみるうちに後ろに流れていき、煙の端が顔を叩いてセモンは灰色の世界から脱出できた。

ちらりと横を見ると、同じように土埃から抜け出てきた四人の姿が見えた。

自然に横一列に隊列を組み、一心不乱に走り続ける。

「なぁ、おい。どこに向かうんだよ」

隣を走る、白いコートの男が訊いてきた。それにセモンは怒鳴り返す。

「そんなのわかんねぇよ!とにかくアレから逃げなきゃあ死ぬぞ!!」

セモンの言葉に、白いコートの端をはためかす男がまた何かを言いかけた時───

ゴッオオォォォォォォーンンンッッッ!!!

轟音とともに近くにあった、民家の瓦屋根がハリボテのように吹き飛んだ。瓦がバラバラになって、こちらに向かってくる。一つ一つがコンクリートブロックのような大きさで、充分な殺傷能力があることが窺える。

それを器用に避けつつ、五人は背後を見る。そして見た。

先刻の、ピンポン玉くらいの小球を数百個体の周囲に浮かせた《ヒト》がいた。

「…………クッソ!!」

セモンは激しく悪態を突いた。隣にいた学ラン少年が空中で体を反転させ、背後から飛んできた数百の致死のレーザーの前に体を晒した。

「お、おい………!!」

学ランの下から、ダガーを取り出す。そして

「フッ!」

鋭い呼気とと
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