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ソードアート・オンライン ―亜流の剣士―
Episode2 分岐点
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っ?…うーん、怖いか怖くないかで聞かれたら怖くはないだろうな」

まさに今日、シスイに人畜無害と評されて来たところだ。怖くない、で間違いはないだろう。

「アカリは俺のこと怖いのか?」
「…あたしも、カイトさんは怖くないと思います。…えへへ」

その時、不意にアカリが笑った。本当に不意に、フワッと、無邪気に。突然だからドキッとした。

「っ…いろいろ聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」






「なるほどね…」

話を聞き、納得のいった俺はアカリと並ぶように壁にもたれ掛かった。今度はアカリも逃げない。

「えっと、確認するね。アカリは一層で俺と会ったのを覚えてない」
「はい…ごめんなさい」
「いや、謝らなくていいよ。で、あの時アカリを追っ掛けてた奴は」
「…ハズキちゃんです」
「うん、あの成りでその名前はやっぱり解せないなぁ」

一層でアカリを追っ掛けてた、もとい俺を突き飛ばしてくれた奴は俗に言う《ネカマ》だったようだ。この世界では、茅場のチュートリアルのあとプレイヤー全員が容姿をアバターからリアルの姿へと変えられてしまったため、女性キャラでプレイするつもりだった男性諸君が非常に残念なことになっている。ハズキもそんなプレイヤー達の一人らしい。

ゲーム開始当初、アカリとハズキは出会い仲良くなった。ゲーム初心者のアカリにハズキが何から何まで教えたらしい。そして、次会う約束をして別れようとしたところであのチュートリアルが行われた。すぐそばで唯一の知り合いが激変し、それに驚いたアカリは怖くなって逃げ出したらしい。

……まぁ、これだけ聞けばハズキが少し不敏でもない。だが、俺は奴に同情出来ない。なぜなら、

「で、未だにアカリはアイツに追いかけ回されている、と」
「……うぅ、はい」

なんと執念深いことだろう。現在の八層に到るまでハズキはアカリのことをストーキングし続けたらしい。それも昼夜問わず。
唯一、迷宮区なんかの高レベルダンジョンにはついて来なかったらしく、結果アカリは《迷宮少女》と呼ばれるほど迷宮区を徘徊しなくてはならなかったらしい。寝泊まりも迷宮区でしているというのだから驚きだ。

そして、さっきアカリがステータスを見せてくれたのだが(レベルを見て、かなりへこんだ…)そんな生活の副次効果として異様なまで《隠蔽》が鍛えられ、レアドロップで《隠蔽》にかなりブーストのある灰色のワンピースが手に入った(ワンピースを着ていたのは、単に着たかったかららしいが…)。だから、さっき目の前でアカリが消えたのもそういうわけらしい。もう一つ加えると、彼女の髪の色が以前と変わっているのは少しでも見た目を変えてハズキにばれないようにしたかったらしい。…逆効果な気がしなくもないが。

とまぁ、この
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