剣の実力
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を見るだけでそのタイプがわかるようになるのよ」
「ふーん……ないな」
「一刀両断?!」
見た目とは正反対な武器を使うやつも結構いる
キリトも体格は細いくせに重い武器を多用しているしな
「まあ、諦めろ。逃がす気はないから」
「終わった……」
この日、リズベット武具店では客に弄られ、段々顔から生気が抜けていく店主の姿が見られたとさ
「もう……お嫁に行けない……」
数十分後、さめざめと泣きながら店主はカウンターに突っ伏していた
「キリトにもらってもらえばいいだろ。側室にでもしてもらえ」
「時代が違うわよ……」
重婚は犯罪だが、不倫は犯罪ではなかったりする
倫理的にアウトなのだが、少なくとも刑法で裁かれることはない
明日奈が許せば、側室も行けるだろう
結婚は諦めた方がいいだろうが
「ユウキはどんな武器がいい?」
「うーん……片手直剣で軽いのかな!」
「だとよ」
「あんたら、鬼ね……」
ユラリと顔を上げるリズベット
俺とユウキのことを鬼というが、今の姿はどちらかというとリズベットの方が鬼(幽鬼)っぽい
「じゃあちょっと振ってみて」
リズベットは店に飾ってあった一振りの片手直剣をユウキに渡す
「いくよ!」
俺が一歩下がるとユウキは弧空に向けて剣を振った
その速さにリズベットは目を丸くし、口を半開きにしたまま固まってしまった
「うーん……もうちょっと軽い方がいいかな?……あれ?」
「リズ。驚くのはいいが、客の前で固まるのはよくないと思うぞ」
「はっ! え、えっともう少し軽いのですね。では打ってくるので少しお待ちください」
そう言うとリズベットは奥の工房へ引っ込んだ
店内には微妙に気まずい空気が流れるが、対処する方法もない
結局、俺とユウキはリズベットが戻ってくるまで、沈黙を続けるのだった
「はい、できたわよ」
戻ってきたリズベットの手にあった剣は黒曜石のような透き通った黒紫色をしていた
その剣を渡されたユウキは一回、二回と振って満面の笑みを浮かべる
「うん。剣と一体になったみたい」
「その剣の銘はソリディフィダークネス。確実に私の打った剣の中ではかなり上位に位置する剣ね」
Solidify darkness 直訳すると凝固する闇かな
「えっと、代金は……」
「俺が払うよ」
「そ、そんなの悪いよ!」
「誰もやるとは言ってない。貸すだけだ。一生かかろうが払ってもらうから覚悟しろよ」
「うん……ありがとう!」
「だからなんでお礼を言うのよ……」
だから事情を知らない者には(ry
「さてと、リズ。そろそろいい時間だと思うんだが?」
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