暁 〜小説投稿サイト〜
問題児が異世界から来るそうですよ?〜あれ?なんか人数が多い?〜
第一話 問題児が増えていますよ?
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『せやなー、こんな日は穏やかに縁側で昼寝すんのが一番や』

始めに言うが決して三毛猫は化け猫ではない。

柊人自身が特別なのである。

「残念ながらこの後、耀と紅葉を見に行くんだ」

『そら、残念やわ。旦那との昼寝は楽しいのにな〜』

「また今度な」

優しい手つきで隣に座る三毛猫を柊人は撫でる。

三毛猫も嬉しそうに目を細める。

「……ん?」

その時、空から何かが降ってくるのが見えてソレをキャッチすると二通の封書だった。

封書には『霧雨柊人殿へ』と書かれていた。

自分宛の手紙だった。

もう一通には『春日部耀殿へ』と書かれていた。

「空から…手紙?」

『不思議やな〜』

自分と耀宛ての封書が空から降ってきたことを不思議に思っていると三毛猫が耀宛ての封書を咥えた。

「こら、三毛猫」

『お嬢に渡してくるで』

三毛猫は意気揚々に駆け出し、耀の下へ向かう。

柊人もそれを追いかけるとちょうど耀に手紙を渡しているところだった。

『お嬢、空からお嬢宛ての手紙が!』

「空から?」

着物を着ていた耀は不思議そうに三毛猫から封書を貰う。

『勘違いしないでくだせえお嬢!ワシは一言も嘘は言っとりません!』

「三毛猫の言ってることは本当だぞ。俺も見た」

「うん、わかってる。嘘じゃない」

幼くも端正な笑顔で返す。

落ち着きを取り戻した三毛猫は今度は手紙の中の内容が気になるらしく目を輝かせ始めた。

『お嬢、早く開けて下せえ。好奇心の余りストレスで禿げちまう』

「うん。帰って来てからね」

耀は肩に乗ってる三毛猫と封書を一度置き、着物を着る作業に戻る。

柊人も着替えを覗くなどという行為をする気は無いので縁側に戻る。

『おーじょーうー!だーんーなー!そんな連れんこと言わんといてー!早く読んでおくんなせー!着物なんて後にして――――』

ビリ。

嫌な音が聞こえた。

扉を出ようとした柊人はゆっくりと後ろを振り向き、耀も恐る恐る袖の下を見る。

そこには、着物の脇から足先までが醜く避けていた。

「「………………………………………………………………………………………」」

『お、お嬢……!』

耀は無言で打ちひしがれる。

その着物は耀のお気にりでもあり、柊人がほめてくれたものであって精神的にかなり来るものがあった。

裂け具合からみて一日二日で修繕可能とは思えない。

『お、お嬢……ワ、ワシ……』

「耀、その、何というか……」

「いいよ、別に。破れたものはしかたがない。柊人も気を使わなくていいから」

溜息を一度吐いてから、苦笑し、近くに置いてある私服に着替える
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