暁 〜小説投稿サイト〜
問題児が異世界から来るそうですよ?〜あれ?なんか人数が多い?〜
第一話 問題児が増えていますよ?
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「言ったら見せてあげるのに」
「チラリズムにエロさを感じる年頃なんだよ」
「あっそ」
そう言う二人の手には封書が握られていた。
封書には達筆でこう書かれていた。
『逆廻十六夜殿へ』
『久米栞殿へ』
「鬱陶しいわ、『黙りなさい』」
久遠飛鳥が叫ぶと先ほどまで騒いでいたセミの鳴き声が止む。
それをとくに不思議にもおもわず飛鳥は自室のカギを開けてベットに倒れ込む。
「くだらない。あの大爺様ですらこれよ」
飛鳥の家、久遠家は日本で五指に入るほどの財閥だが、GHQの財閥解体命令により久遠家もそれの対象になった。
だが、飛鳥の大爺様の一派がそれを逃れようと裏でロビー活動を行っていたが、これ以上相手の反感を買うのは得策ではないので一族は飛鳥を呼んだ。
別に掟や決まりがあるわけではない。
ただ飛鳥の言ったことは全て言ったとおりになる。
そんな簡素で無味な人間関係に飛鳥は飽き飽きしていた。
その時、机の上に一枚の封書に気付いた。
『久遠飛鳥殿へ』
自分宛の手紙だった。
ドアと窓、緊急用の隠し扉を調べるがどれも使用した形跡はなかった。
その時、ドアがノックされメイドの声が聞えた。
「お嬢様、冷たいお飲み物を―――」
「貴女、つかぬ事を聞くけど、私がいない間に誰か部屋に入った?」
「?この部屋の鍵はお嬢様の持つ鍵しかありませんから、誰も出入りはできません」
「そう………そうよね。いいわ、皐を呼んで」
暫くすると扉がノックされた。
「入って」
「失礼します」
扉を開けて入って来たのは三上皐。歳は飛鳥と変わらないが、飛鳥の御世話係を務めている。
「早速だけと、この手紙が何かわかるかしら?」
「お嬢様にもきたのですか?」
「もしかして皐も?」
「はい」
そう言って懐に手をやり一枚の封書を取り出した。
『三上皐殿へ』
「てっきりお嬢様の悪戯かと思い気にも留めませんでしたがお嬢様でないのなら一体誰が?」
封書の差出人を気にする皐を余所に飛鳥は嬉しそうに頬を緩ませていた。
「ふふ、どなたが知りませんが、密室殺人なら密室投書とは気に入りました。
皐も手紙を開けなさい。そうすれば、差出人が分かるかもしれないわ」
「はい」
嬉々としながら封書を開ける飛鳥と不思議そうに封書を開ける皐だった。
季節は秋になり紅葉前線に差し掛かっている。
葉の色彩が褪せない間に見に行こうと春日部耀は着物を着こんでいた。
そして、縁側には耀の恋人の霧雨柊人と一匹の三毛猫がいた。
「気持ちいい日だな」
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