ALO編
episode6 運命という名の偶然
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あるし、SAOは外見がこちらの世界と一緒だ。どう考えても同一人物とすぐに分かる。それに対して、俺はあの世界とは異なっている。内面が違う……なんてアホな意味では無く、そのまま、見た目が違うのだ。向こうから見たら俺が誰だか分からないはず。
はず、なのだが。
「お前……シド、か……!?」
巨漢の店主は、はっきりとその名を口にした。
◆
カウンターに座ると、間髪いれずにコーヒーが出てきた。驚いて見やると、「俺が飲むつもりだった分だ。お前が向こうで良く飲んでたのと濃さはそう変わらん」と言って、エギルがにやりと笑う。そのやりとりは、まるでアルゲードでのそれのようだ。ちなみに客が俺以外に全くいないのもあの頃と一緒だ。
「驚いたな。エギルが、こっちでも店を経営してた、なんてな。いや、帰ってきて開いたのか?」
「馬鹿抜かせ。まだ帰ってきて二カ月なのに新しく店なんて開けるか、もともとだ。まあ二年間残ってたのは感動の話があるからゆっくり聞かせてやる。それにしても……」
一言区切って、エギルがじろりと俺を見る。
俺の髪と、瞳を。
「……やっぱり、シドも、だったのか」
「ああ。そうだな、自己紹介でもするか。はじめまして、俺は、シエル・デ・ドュノア、だ。また会えて嬉しいぜ、……っと、」
「ギルバート。アンドリュー・ギルバート・ミルズ、だ。まあ、エギルで構わんさ」
「ま、それもそうだな。俺も今まで通りシドで頼むわ。お前に本名呼ばれるのも気持ち悪いしな」
「なんだそりゃ……それにしても、シエル、ってぇと……フランスか?」
エギルが問いかけてくる。
俺の、色素の濃い金色の髪と、真っ青な瞳を見つめながら、だ。
「ああ、親父がな。まあハーフだし、親父は物心つく前に逝っちまったから、面識はないがな。……向こうにいたころから、気付いていたのか?」
「……まあ、うすうす不自然さは、な。シドの日本語は、あまりに綺麗過ぎたからな。書く文章なんかは、特にな。お前さんくらいの年の奴が、あんなに整った新聞記事みたいな文章は普通は書けんよ。誰に教わったんだ?」
「母さんが、熱心に教えてくれたのさ。日本で住むなら日本語、母国語としてフランス語、ついでに「ガイジン」ならと聞かれるだろうからって英語までみっちりと、な。今にしてちょっと常軌を逸していた事は分かってるが、感謝はしてるぜ。エギルは?」
「俺は生まれつき、いや、親の代からの江戸っ子だ」
そう言って笑う。なるほどこいつの態度に江戸っ子は、なんとなくイメージが合うな。ちなみに俺の外見は、純外国人と言える。金
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