五話
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ルゼンハイムの上、空中にあった。
「少しは活躍しておかないと色々面倒ですからね」
自分を見ているであろうグレンダンにいるロンスマイア家の親族達、実力はたいしたことが無いが家に戻る時に余計な口出しをされないよう天剣に見合う実力を見せ付けておくに越したことはない。
外力系衝剄の化練変化、翠乱舞。
天剣に注ぎ込まれた膨大な剄、それが天剣という触媒を通して変化し発散される。発散されたクララの剄は周囲の大気に溶け込みヴェルゼンハイムを取り巻き、光を受けて翠色の煌めきが走る。
胡蝶炎翅剣を一閃すると共に動きが生じる。
剄の混じった大気が急速に動き、空気の刃となってヴェルゼンハイムに襲いかかる。
風の刃だけでなく急速に空気が動いたことによる断絶、真空の刃をも取り混ぜて全方位から余すことなく斬り刻む剄技。炎を風で吹き散らし、無慈悲なまでに切り裂いていく。
継続時間は短くクララはヴェルゼンハイムに向けて落下する。消し飛んだ炎が戻っていない部分に一瞬だけ触れると後方へ全力で退避する。次の攻撃が迫っているのに長居しては巻き込まれる。
「なかなか面白いの作ったじゃないか、だがあんな接近したって事はまだ制御が甘いんだろ」
未だ完成には至っていないという事をしっかりと見抜かれグッと反論に詰まる。
ヴェルゼンハイムの強力な再生力もオーロラ粒子の補給が十分に発揮できず、強力な攻撃にその身を削られる一方となっている。
バーメリンやアルシェイラによる砲撃、ニーナの打撃、クララとトロイアットから放たれる強力な化練剄になす術無く翻弄されるヴェルゼンハイム。
一時止んだ隙に包囲から脱しようとするが何かにぶつかったかのように動きを止められる。先程まで周囲の汚染獣を巨人、雄性体、老性体の区別無く凄まじい速度で切り裂いていた男が戻ってきたのだ。
外力系衝剄の変化、繰弦曲・崩落。
リンテンスの技の中でも最上位に位置する剄技、相手を鋼糸の陣の中に取り込み全方位からの衝剄で圧殺する。
鋼糸から内部に放たれる衝剄と新たに流し込まれる剄、そして放たれた剄で焼滅するヴェルゼンハイムが相まって光を放つ。
だが外に漏れるのは光のみ、それに伴う熱も音も衝撃も一切を内部に封じ込め威力を増すのに一役買っている。
鋼糸の陣が弾けてリンテンスの元へ戻る時、ヴェルゼンハイムの体は再生が全く間に合わないほどの傷を受けていた。
「グレンダン」
叫びと共にアルシェイラの隣に蒼銀色の毛並みを持つ犬のような姿をした廃貴族グレンダンが現れる。
「おうっ」
グレンダンの目の前に光が集まると槍のような形状になり、その槍を掴むとアルシェイラはヴェルゼンハイムに向けて走る。
膨大な剄を注がれ天剣授受者の剄でも余裕で受け止められる槍が僅かだが崩壊を始めて
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