黄巾の章
第15話 「ねぇ、貴方……孫呉にこない?」
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
気をつけるよ」
盾二は、そう言って後方を見る。
なにを……ああ、桃香のことか。
「……やっぱり、桃香が心配?」
「……じゃない、って言ったら嘘になるさ。けど、俺が声をかけたら全部ダメになる気がするんだ」
「…………」
「……今はそっとしておくんやな。桃香もあんさんに甘えるだけじゃ、この先栄達なんて無理やし」
「……ああ」
霞の言うとおりだ。
この黄巾の騒動からもわかるとおり、この後の世は誰が見ても荒れる。
その中で立身を目指すのならば、相当な覚悟と力が要る。
(あたしも……もっと、しっかりしなきゃな)
あたしが、パンッと自分の両頬を叩いて喝をいれる。
よっし!
あたしは錦馬超だ!
―― 袁術 side ――
ぺろぺろ。ぺろぺろ。
「はぁぁぁ〜……やっぱり蜂蜜水はうまいのじゃぁ……」
「よかったですね〜……美羽様」
そう言ってわらわの口元を拭いてくれる七乃。
うん、うん。愛い奴じゃのぅ。
「それでなんじゃったかの?」
「はい〜。都から美羽様に再度お呼びがかかっております」
「う? 前に断わったんじゃなかったのかや?」
「そうですね〜。断わったんだけど、また来たんですよ〜」
「む〜……めんどくさいのう」
ただでさえ篭城しているこーきん相手に、こんなところにずっといるんじゃぞ?
この上、都まで足を伸ばすのかや?
「でもでもぉ、ここで断わっちゃうと、美羽様の太守の役職が解任されちゃうかもしれませんよ〜? いいんですか〜?」
「む? 『かいにん』されるとどうなるのかや?」
「そうですねぇ〜……もう蜂蜜水は飲めなくなりますねぇ〜」
「そ、それはいやなのじゃ! 七乃! すぐ、すぐ都に行くのじゃ!」
は、蜂蜜水だけは、ずっと飲んでいたいのじゃ!
「はい〜、わかりましたぁ。あ、でもでも、都から南陽黄巾軍に対する引継ぎの軍がもうすぐ到着しますので、その後になりますね〜」
「何でもいいから、わかったのじゃ! 蜂蜜水だけは守るのじゃ!」
「いよっ、この我侭お子様めっ! 蜂蜜のためならなんでもしちゃう偉い方!」
「わーはははは! わらわは元から偉いのじゃー!」
うわーはははは! うわーはははは!
「じゃあ、私は引継ぎの軍の方に挨拶してきますね〜。あ、あと孫策さんも連れて行きますから、美羽様は蜂蜜水、おかわりしてもいいですよ」
「やったのじゃ! これ、すぐに蜂蜜水を持ってくるのじゃ!」
―― 孫策 side ――
「孫策様! 張勲将軍がお呼びです。すぐに本陣までお越しください」
「え〜……」
「わかった。すぐに向かうとお伝えください」
わ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ