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トーゴの異世界無双
第百十一話 反則じみた不動ぶりだよな
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らす。


「うはは! これは驚いたわ! 何ちゅう魔力出しよるんや!」


 バンリドも笑ってはいるが、頬が引き攣(つ)っている。


「行くぞボサボサ頭!」


 闘悟がその場から動くと、舞台が破壊される。
 動くだけでかなりの衝撃波を生んでいるようだ。
 これまで感じたことが無かった魔力で攻撃される。
 バンリドは、自分の『不動魔法』に絶対の自信を持っているが、未知で、予想できない破壊力を込めた攻撃だけは正直焦りを生んでしまう。
 無意識に全身に力を入れて踏ん張ってしまう。
 闘悟は右拳に魔力を集中させてそのまま突っ込む。


 ドゴオゥッ!!!


 そんな音が周囲に響く。
 それは拳による風切音と衝撃音だった。
 誰もが息を飲み結果を待つ。
 これほどの魔力を込めて攻撃されたら、さすがの『不動魔法』も破られるのではないかと感じている。


 しかし、目の前に写った光景は信じられないものだった。
 そこには拳を突き出した闘悟と、一歩も動かず立ち尽くしているバンリドがいた。


「くっ!」


 闘悟は歯を食いしばり、全身に力を込める。


「まだまだぁっ!!!」


 そこからは闘悟の連撃が始まる。
 サンドバックを殴るように、いろんな角度で攻撃を加えていく。
 闘悟を中心にして突風が観客席にまで届いてくる。
 帽子を飛ばされるほどなので、かなりの強風を生んでいる。
 何度も何度も殴打するが、残念なことにバンリドはピクリとも動かない。
 そして、闘悟は攻撃を止め風も収まる。


「ふぅ」


 闘悟は一息ついてバンリドから距離を取る。


「さ、さすがの私も実況の口が挟めませんでした! 通常では考えられないほどの魔力を解放したトーゴ選手もさることながら、その攻撃を完全に防いだバンリド選手。一体どっちが勝つのでしょうか!」


 モアはついつい見入ってしまって実況を忘れていたのを反省した。


「今の魔力……」
「フレンシア様?」
「今の魔力ですが、達人級が百人集まっても届かないでしょう。破壊力も恐らくは山くらいなら吹き飛ぶほどかもしれません」
「なっ!?」
「ですが、それでも『不動魔法』は崩せなかった」


 フレンシアは真剣な表情で続ける。


「あれほどの攻撃を受けたのも彼は初めてでしょう」
「そ、そうですね。バンリド選手も驚いたというか焦ったと思います」
「最強とも思われる攻撃でも破れなかった。まさに絶対防御です……」


 フレンシアの言葉を聞いて、ほとんどの者は結果を見出してしまっていた。
 この勝負はバンリドの勝利だと。
 だがその中でフレンシアは気づいていた。
 確かに今の攻撃は、
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