暁 〜小説投稿サイト〜
トーゴの異世界無双
第百十一話 反則じみた不動ぶりだよな
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 ギルバニアがいるVIPルームでも、ギルバニア以外は闘悟の勝ち目は無いだろうと思っていた。
 それどころか、あまりにも無謀な条件で闘う闘悟の思考を疑う者もいた。


「一体あの少年はどういうつもりなのか……」


 そう言葉を発したのは、ランブリタル王国宰相(さいしょう)であるディグナスだ。


「こんな闘い、とてもではないが少年の気がふれているとしか思えない」


 独り言のように呟くが、それを聞いていたシュレイエ王国大臣であるツートンも同調する。


「全くですな。確かに彼はとてつもない魔力を持っているようですが、事象が決定している魔法を敗れるとは到底思えませんな」


 二人の言葉をその場にいる者は耳にしてはいるが、ザド王国代表のキュッラは、一言も発せず、闘悟を観察するように見つめている。
 アーダストリンク王国国王のブラスと、その長男であるギレンも、二人とそう意見は違わなかった。


「ギルバニア王、彼は何を考えているのでしょうか?」


 ギレンは首を傾げながら質問をする。
 するとギルバニアは表情を動かさず口を開く。


「さあな。アレが考えることは俺にはサッパリだ」
「はあ」
「だがよ、きっと皆が驚くことをしてくれるぜ?」
「……その根拠は?」
「何たって、アイツはトーゴだからな」
「……はあ」


 釈然としない気持ちで声を漏らしたが、それ以上は何も語ろうとしない雰囲気だった。
 すると、ニヤッとして一言だけ言った。


「ま、結果を楽しみにしようぜ」


 本人が一番楽しみにしているのではないかと疑うくらい、瞳がキラキラと子供の様に輝いていた。





 その頃、クィル達も無茶苦茶な条件を飲んだ闘悟を心配していた。


「トーゴ様……」
「なあなあ、クー姉、トーゴだいじょうぶだよなぁ?」


 ハロが心配そうに服を掴んできた。
 まだ五歳なので、詳しい内容は理解していないようだが、周りの雰囲気を感じ取り、闘悟が気になっているようだ。
 クィルは彼女を安心させるように微笑む。


「はいです。トーゴ様はいつも無茶ばかりなさるです。今回も、きっと大丈夫なのです」


 そう自分にも言い聞かすように言う。


「そうですね」


 試合から戻って来たミラニもそう言葉を放つ。


「ん……トーゴは……勝つ……よ」


 ヒナが自信を込めて言う。


「そうよぉ〜! ヒーちゃんの言う通り、トーくんは勝つわよぉ!」


 ニアが王妃らしからぬ声を上げる。


「お母様、お声が大きいですよ」


 リアがそれを窘(たしな)める。


「むぅ〜じゃあリーちゃんは、トーくん
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ