第百十話 面白そうな賭けじゃねえか
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…ホントに面白え。
「だけどその提案、俺が断ったらどうすんだ?」
「ん〜それは困るのう」
真剣な顔で発言をする彼を見てプッと笑ってしまう。
「これは提案じゃのうて、頼みのようなもんじゃしのう。断られたらどうしようもないのう」
言葉に邪気(じゃき)も何も感じられない。
今までも言葉は全て本物。
騙そうという気がサラサラ感じられない。
頼みというのも本当なのだ。
「でも、お前さんは断らんよ」
「へぇ、何でそう思うんだ?」
「ん〜何となく……かのう?」
すると闘悟はニヤッとして言葉を放つ。
「まあ、正解だな。そんな面白そうな提案、飲まねえわけがねえ!」
親指を立てながら断言する。
するとホッとしたようにバンリドは息を吐く。
「それは良かったのう!」
「だけど、何か決まり事でも作らねえか?」
「ん?」
「まさか、オレの魔力が無くなるまで殴り続けるってのも面白くねえしな。それにそんなことしてると、時間が掛かり過ぎちまう」
闘悟の言う通り、もしそんなことになったら、一日や二日で終わるようなものではない。
確かにその方法を取れば、いつかバンリドも睡魔などに負けて、動くかせる可能性が高くなるだろう。
だがそんなのは面白くない。
闘悟はまっこうから彼の魔法を打ち破りたいと思っているのだ。
「そうじゃのう……」
そこで二人だけの世界を作り、他の者達を放置しながら条件を作る。
ウースイからは常に文句が聞こえてきたが、無論取り合ってはいない。
ステリアも何か言いたそうだったが、闘悟の楽しそうな表情を見て、何を言っても無駄だと悟り黙って見ていた。
そして、条件は決まった。
一、時間制限は二十分間。
二、攻撃は自由。(魔法可)
三、攻撃を受け、バンリドが一歩でも動けばバンリドの負け。(自ら動くのは可)
大まかに三つの条件を決めたが、これで十分だと判断した。
もちろん時間内にバンリドの『不動魔法』を破れなかったら闘悟の負けだ。
闘い方を決めたら、観客達も分かるようにモアに伝え流してもらった。
すると観客達も、今までとは違った展開が気に入ったのか盛り上げてくれた。
開始の合図と時間読みはモアに任せた。
今はインターバルといった感じに、闘悟もバンリドも体をほぐしている。
「これは面白い展開になりましたねフレンシア様」
「ええ、さすがはトーゴくんよねぇ」
両手を頬に当てて笑みを浮かべている。
そんな三賢人の姿を見て、頬を引き攣(つ)りながらも声を掛ける。
「そ、そうですね。と、ところでフレンシア様、この勝負はどう見ますか?」
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