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トーゴの異世界無双
第百九話 厄介な魔法だなそりゃ
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て簡単に終わらせることができたと思っていたが、そう簡単には乗ってはくれなかった。
 やりにくい相手だと正直に感じた。
 何も考えてないようで考えている。
 しかも、器が大きいのか鈍感なのか分からないが、闘悟のどの言葉も彼には響いていない。
 精神的にも不動ってことか…………面白い奴だな。
 素直に目の前の男に感心した。
 闘悟が今まで出会った中で、こんなにも掴みどころのない人物は初めてだった。


「でも、このままじゃ試合が終わらないのも事実だぜ?」
「そうじゃのう」


 バンリドは顎に触れて少し考えるような仕草をする。


「じゃけど、俺も馬鹿じゃないんじゃ。単純な魔法合戦や肉弾戦でお前さんに勝てるとは思うとらんよ」
「……へぇ」


 今までの闘悟の闘いを観察していたのだろう。
 そこから判断して、普通に闘っても勝利の目が無いと考えたのだ。


「こう見えても臆病なんじゃ。勝てない相手に真っ向勝負はせんよ」
「……」
「魔力の質、魔力の量、バトルセンス、どれをとっても俺じゃあ届かん。じゃから……一つ、賭けをせんか?」


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