間幕:Ir de tapas (軽食屋巡り)
13 ?? ?????? ??? / 13日のカレー曜日)
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その日は、夜が開ける前からぶ厚い雲が立ち込めていた。
クミィィィィィン、コリアーンダァァァァァァ、タァァァァメリック……
まるで夜明けが永遠に来ないのではないかと思わせる薄暗い世界の窓辺から、熱に浮かされたかのような少女の声が響き渡る。
彼女は自らの寝室で、ベッドに腰をかけたまま、まるで弔歌のような旋律で先ほどからの謎の呪文を口ずさんでいた。
まるで宗教の儀式のようではあるが、それは似て非なるもの。
よくみれば、少女のその手は何かを我慢するかのようにキツく握り締められ、まるで麻薬の禁断症状のように細かく震えている。
そして、何かを弔うかのように、または何かの執着を堪えるかのように、先ほどの歌を陰々と窓の外へと解き放つのだ。
クミィィィィィン、コリアーンダァァァァァァ、タァァァァメリック……
メティィィィィイ、ジィンジャアァァァァ、カルダモォォォォォ……
そこで少女の声がピタリと止まった。
「……あぁ、やっぱり我慢できない。 奴らには死んでもらおう」
次の瞬間、彼女の姿はまるで幽霊のようにベッドの下を突き抜けてその場から消え去った。
*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*
その頃、少女の部屋の隣では一匹の雌が敗北感に打ちひしがれていた。
「うぅっ……屈辱だわ。 まさか、この私がこんなにも容易く……」
全身の気だるさに押しつぶされたまま、彼女――フェリクシアは、うまれたままの姿でベッドの上に横たわっていた。
その隣には、同じく全裸の逞しい巨漢が一人。
「ふん。 どうやらまだお仕置きが足りないようだな」
そう呟くと、男――クリストハルトは死角から伸びてきた蠍の尻尾を掴み取り、フェリクシアをジロリと睨む。
針の先端からだらしなく垂れ流されるのは、一滴で象をも麻痺させる痺れ薬。
その蠍の尻尾は、言うまでもなくフェリクシアの腰から伸びているモノだ。
クリストハルトが体を起こすと、フェリクシアは力の無い緩慢な動きで怯えるように後ずさりしようとし、逃げ場がない事に改めて気づく。
「い、いやっ! ダメ、お願い、もう許して!!」
「ダメだな。 俺はキシリアから徹底的にヤルように言われているんだ」
――堕ちてもらおう。
甘い囁きと共にクリストハルトの指がフェリクシアのチョコレート色の唇に触れる。
「ほーれ、ほーれ、ここがいいんか? ここがいいんか? あーん?」
「あっ、だめっ、そんなっ……んっ、き、急に指を止めないで……あんっ いやっ、そんな乱暴な……」
「くくく、淫らなヤツめ。 下街の綺麗どころを男女問わず全て屈服された俺の指使い、存分に味わうが良い!!」
そういって彼が優しく愛撫するのは、フ
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