間幕:Ir de tapas (軽食屋巡り)
13 ?? ?????? ??? / 13日のカレー曜日)
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イス》はいつもと違ってヒマワリのように鮮やかな黄色をしている。
なんでも、サフランライスというらしいのだが、よほど特別な材料を使っているのだろう。
キシリアの作業はいつ似なく緊張を孕んでいた。
そして40分後……
「いいお湯だったガオ」
「おー なんかおいしそうなボコナン肉の臭いがするゴァ? あと、オークの匂いもするし……おお、テンチャー肉まで!! すげぇご馳走だ!!」
「くー キシリアちゃん、オラんところ嫁にきてくんねぇゴァなー」
ご機嫌な獣人族たちは、キシリアが草の繊維を理力で加工した即席の服に身を包み、全身から湯気を立てつつ食堂にやってくる。
そして彼等を出迎えたのは……
「おぉー これは何でゴァすか?」
「むっちゃおいしそうな香りがするガオ」
なんとも独特の芳香を放つ茶色のシチュー。
それに添えられているのは、小麦とバターから作られた板状の食物……ナン。
さらに、薬草の雌蕊から取れる色素で黄金の色を帯びた粒状の作物……サフランライス。
「ちょっと刺激の多い食べ物なので、自信の無い方はこの蜂蜜やヨーグルトを入れて食べてくださいね」
にこやかな笑顔で対応しつつ蜂蜜やヨーグルトの入った皿を差し出すキシリアだが、そこは荒くれ者の獣人族たち。
誰一人として蜂蜜やヨーグルトに手を伸ばすものはいなかった。
やがて全員が席に着き、一人で給仕を担当するキシリアが全員に蜂蜜酒を配り終えると、いよいよ乾杯への段取りとなる。
そしてキシリアからのご氏名で、クリストハルトが乾杯の音頭をとる事になり……
「では、今日の食料に感謝して……」
「「カンパーイ!!」」
全員が即座に蜂蜜酒で喉を湿らせ、今日のメニューである茶色のシチューに口をつけ……
「「辛ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」」
全員が絶叫し、泡を吹いて倒れた。
ただ一人、クリストハルトを残しては。
「ちっ、やはりまた失敗したか」
キシリアが忌々しげに悪態をつく。
彼女が作り上げたこの料理は、カレー。
言わずと知れたスパイスを混ぜ合わせた料理なのだが、生肉を香辛料なしで食べる人間以外の動物にとっては、ほとんど劇薬といっていいほどの刺激物である。
昼にポメが失神したのは、このカレーをこっそり盗み食いしたからだ。
おそらく、これを食べて平気なのは人間であるクリストハルトとカリーナのみであろう。
以前普通に作ったカレーを食べたフェリクシアはすっかりトラウマになっていて、主原料の一つであるクミンやターメリックの匂いを嗅いだだけで慌てて逃げ出す始末である。
「あー 一応はカイエンペッパー抜いたりして獣人族でも食
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