間幕:Ir de tapas (軽食屋巡り)
13 ?? ?????? ??? / 13日のカレー曜日)
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して、一人残ったカリーナは、しばし迷った後にずっと気になっていたことをたずねることにした。
「ねぇ、キシリア」
「なんだ?」
「この、大きな鍋に入っているモノ、何?」
この私を魅了して止まないかぐわかしい存在。
その正体への疑問は、時間がたつにつれて大きくなってゆく。
「あぁ、それは……」
その時、不意に雷鳴が鳴り響き、外は土砂降りの雨が降り出した。
キシリアの告げたその名は、カリーナの頭の中に何度も反響し、その深い魂の奥底に眠っていたモノを静かに呼び覚ます。
「そう、それはとても楽しみね。 夕飯がとても待ち遠しいわ」
あぁ、クリストハルトはきっとずぶ濡れになって帰ってくるだろう。
お風呂を用意しなくては。
かの聖なる晩餐を味わうのなら、風邪をひいて味覚がおかしくなるなんて無作法は許されない。
微かな意識の混濁を感じながら、カリーナは風呂に水を張るべくその場を後にした。
*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*
「「おじゃましまーすだガオ」」
時刻はすでに18時を過ぎ。
相変わらず外は土砂降りの雨ではあるが、その暗い雰囲気を打ち破るかのように野太い声が飛び込んできた。
ちなみに語尾に「ガオ」とつくのは、虎人や人獅子に多い部族語のせいである。
クリストハルトにつれられてやってきたのは、どれ屈強な体を持つ獣人族の男たちだった。
虎人に人獅子に聖豹人……他にも医熊人や神猿人まで混じっている。
全員がなぜか傷だらけのボロボロで、彼等を連れてきたクリストハルトも同じような状態だった。
――午後からずっと帰ってこなかったところを見ると、どうやら雨宿りについでに出稽古をしてきたようだ。
「ようこそ、いらっしゃい。 よかったら、屋根付きのお風呂場がありますので、先に汗を流してきていただけますか? その間に食事の用意を整えますので」
出迎えたのは、猫かぶり1000%のキシリア。
普段の口調を知っているだけに、身内の面々は思わず顔が引きつっている。
「「あざーっス」」
キシリアの正体を知らない獣人族たちは素直にその提案を受け入れ、ぞろぞろと連れ立って風呂場に入っていった。
いったい何故キシリアは彼等を呼んだのだろう?
気にならないわけでもなかったが、あいにくとカリーナは先日教えられた『美味しいナンの焼き方』の実践にかかりきりだった。
ちなみに金雨草の実の炊き方はまだ早いといわれたためにまだ教わっていない。
ただ、今日の|金雨草の実《ラ
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